【ギリシャ危機】金利の高い国債 PIGS ポピュリズム『お金で世界が見えてくる』池上彰著

お金で世界が見えてくる池上彰
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国内通貨のドラクマを捨てて

ユーロにしたかったギリシャが

2001年、ユーロ圏に加入し

共通通貨“ユーロ“を使用するように

なりました。

しかし、2010年4月に

IMF(国際通貨基金)に緊急融資を

要請しなければならなくなりました。

いつもは発展途上国を対象に

融資を行なっていた機関が

ユーロ加盟国への支援を行うことに

なりました。

これほど、ギリシャが「破産状態」に

なったのはいったい何故なのでしょうか?

ユーロにしたかったギリシャ

観光立国であるギリシャは

ヨーロッパ諸国の人たちが

通貨を両替せずに入国できるので

観光客の増大を見込めるという

思惑がありました。

確かに、わたしたち日本人が

ヨーロッパ諸国に旅行に行けば

ちょっと羽を伸ばして隣国へも

という気持ちになったとしても

国境を越えれば通貨が違えば

両替の手間は面倒だなあと

思います。

(レートの違いで手元がプラスになったり

 マイナスになったりは面白いと

 思うことはありますが…)

それに、

ギリシャの通貨、ドラクマの国債は

信用度が低く、高い金利でした。

それだけ、

国債を売るのに苦労していた

ということです。

財政状態を操作にユーロ圏へ加入

喉から手が出るほど、

ユーロ圏に加入したかったのですが

加入するには

厳しい条件がありました。

財政赤字は、

GDP比で3%未満でなければ

なりません。

借金大国は入れないのです。

この時、

ギリシャはGDP比で13.6%でした。

のちに

EUが支援のために

立ち入り捜査をしたことで

判明します。

その辺りはいい加減にも

ウソの申告でユーロ圏の

仲間入りとなったのです。

政権交代でバレる

2009年に

中道左派の

ゲオルギオス・

アンドレアス・パパンドレウ首相

率いる新政権が誕生し

それを機に財政状態が

明るみになったのです。

何故ギリシャは破産状態になったのか

観光立国だったギリシャが何故

これほどに

財政破綻していたのでしょう。

ポピュリズムだった政府

いわゆる、ばらまき状態。

政権を握り維持するため

(人気取りのため)

お金を市中にばらまき

また、ギリシャの年金制度も

早期に退職しても

年金が支給される恵まれた国、

選挙のための人気集めのためもあり

公務員率も高く、

その上給料もいいのです。

さらに脱税も多く

売り上げを誤魔化す商店があっても

まかり通っている状態だったのです。

そこで慌てて

政府は年金の支給開始年齢を

あげたり

公務員の給与を下げたりしましたが

市民や労働者たちが反発し

いよいギリシャ経済は

悪化していきました。

なんだか国民も

「金の切れ目が縁の切れ目」的な感じで

国のために国民として

この危機に人肌脱ごうという人もなく

逆に暴動が起こるのです。

何故、ユーロ圏がギリシャを支援したか

2010年にEUのユーロ圏16カ国は

ギリシャに

300億ユーロ(当時、約3兆7千億円)の

緊急支援を決めました。

欧州全体に金融不安

ギリシャの国債を持っていた

ヨーロッパの多くの銀行が

金融危機に陥り

財政危機がヨーロッパ全体に

広がりました。

何故、多額のギリシャ国債を

持っていたのでしょう。

ヨーロッパ全体の金利が低く

民間銀行は

欧州中央銀行(ECB)から

1%の金利で資金を調達することが

できました。

そして、ギリシャ国債の金利は

財政赤字が明るみになる前でも

5%程度だったので

安い(1%)金利で借りて

高い(5%)金利のものを買えば

金利差分で楽に利益を上げられると

考えていたので、

ギリシャ国債に欧州全体が資金を

突っ込んでいたにもかかわらず

ギリシャ国債が暴落、破綻すれば

ヨーロッパの金融機関の

巨額損失につながると

考えたのです。

そして、案の定

ヨーロッパの金融機関に対する

不安が広がり

ユーロ安を招いてしまいました。

ゆえに、

IMFとは別にEUも支援することに

なったのです。

(先にEUが支援要請を受けたのですが

 間の合わないのでIMFにも

 支援要請をしています。)

PIGSと呼ばれて

ギリシャ国債が暴落すると

スペインやポルトガルの国債も

値を下げました。

ギリシャほどではないにしろ

財政危機を抱えることになります。

その結果、PIGS(豚)という言葉が

生まれました。

これは、

ポルトガル・イタリア・ギリシャ

スペインの頭文字を繋げて

言ったもので

この国々がギリシャ破綻の

煽りを受け、

最も深刻な状態に

なってしまったのです。

これらの国々のこともあり

特に、ドイツやフランスが

ギリシャ支援に動きました。

勝手なギリシャを救うべきじゃない

という意見や

ギリシャも前のドラクマに戻った方が

通貨安の恩恵があるのでは

ないかとか

ユーロ加盟国が減るのは

EUそのもの危機でないのかなど

さまざまな考えがありましたが

ギリシャはユーロ圏に留まり

IMFやEU諸国の支援のおかげで

最悪の事態は免れることに

なったのです。

まとめます

ヨーロッパ諸国は繋がりが強く

一つの国が破綻しかけると

周辺諸国にまで影響が出てしまう。

なのでEU諸国が共通通貨ユーロに

することは理にかなっていると

言えます。

資本主義が世界の常識となっていますが

富める者も貧しい者も等しく

幸せに暮らすためには

ギリシャのような体制は

良いのかもしれませんが

財政の確保が難しいということが

ギリシャの破綻で

目の当たりになってしまいました。

池上彰
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