見える「名目金利」より見えない「実質金利」が大事『お金の学校』池上彰著

お金の学校池上彰
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1991年にバブルが崩壊してから

景気の低迷が続いています。

モノの値段が安く

銀行預金の利息は

非常に低くですが

貸付の金利も下がっているので

お金は借りやすくなっています。

これらの“金利”は目に見える金利ですが

目に見えない実質的な金利の方が

より大切なようです。

インフレやデフレは景気の指標ですが

わかっているようで

聞かれてもパッと答えられない

のですが

本書は著者らしくわかりやすく

説明してくれているので

紹介します。

お金持ちに有利なのがデフレ

デフレというのは

モノの値段が上がらないもしくは

モノの値段が下がっていくという

状況を言います。

モノの値段が下がるということは

言い換えると

お金の価値が上がることなのです。

これはわかるようでわかりにくいです。

バーゲンセールをやっていて

値下げや値上げなら

よくわかるのですが

これは目に見えない“価値“の有無

なので

わかりにくいです。

デフレが進むとお金の価値が

上がるので

同じ金額でも前よりも多くの

モノが買えます。

デフレ期はお金に価値があるので

お金を使わずに持っているほど、

モノを買うより得をしている

ことになります。

なので

お金を残しておける余裕がある

“お金持ち“はさらに有利な状態に

なっています。

そして、お金を貸していると

お金の価値が高いので得をして

借りると損をするという

ことになります。

借金をしないと損?インフレ状態

インフレはデフレの逆です。

モノの価値が上がるのです。

来年になれば同じお金でも

買えるモノが少なると考えれば

今のうちに買っておこうと

モノの需要が増えます。

お金を持っていても

お金の価値が下がっていくので

おちおち貯金などしていられません。

どんどんモノに変えようとします。

それこそ借金してまで…

これはある一定のところまでは

“景気がいい“ということが言えます。

お金を持っていても損なので

金利を安くして貸してくれるので

借金してもモノに変えておくのが

インフレの時には

得だということです。

「いつ買うの?」

「今でしょう」なのです。

名目金利と実質金利

しかし、

デフレ・インフレについては

もう少し理解を深める必要があります。

ここでこの違いのが大切になると

著者が言っているのが

「名目金利」と「実質金利」です。

額面上に「金利は〇〇%です。」と

出てくるのが見た目の「名目金利」

なのです。

しかし、この金利だけでは

経済の状況がわからないと

指摘されています。

モノの値段が上がったり下がったり

することで決まる

「実質金利」を計算に入れて

得か損なのかを考えなくては

なりません。

デフレ下では「名目金利」は

非常に低いけれど

「実質金利」は高くなっています。

インフレ下では「名目金利」は高くても

「実質金利」は軽く済んでいます。

デフレ時の実質金利とは

例えば、

昨年は100円1個しか買えなかった

りんごが

今年は100円で2個買えるように

このりんご1個分は実質金利と

いうことになります。

目に見えるお金ではないけれども

目に見えないお金に換算するなら

100円得したということになります。

これは「実質金利」ということです。

銀行に預けてもほとんど利息は

つかないデフレですが

元本自体の価値はりんご1個分

上がっているのです。

さらにお金を置いておくと

その次の年は3個、4個と

買えるりんごの数は増えていきます。

デフレ時はモノが売れないので

給料も上がらずお金を借りても

返済できるかという不安から

借りる人は減少しますが

それでも「名目金利」を下げて

市場にお金が出回るように促しますが

お金を借りる場合は

見た目の利息は低いから

借りやすいようですが

そのお金で

りんごを1個買ったとして

その金額で来年は2個買えると

なれば、

すでに買ったりんごの価値は

半分になってしまうのです。

その分、見た目の利息より

余計に払っていると

言えるのでしょう。

このデフレ時

お金を借りてまでモノを買おうとすると

「実質金利」は上がり、

損をすることがあります。

インフレ時は「名目金利」が高め

インフレ時は目に見えて提示される

金利「名目金利」は高くなります。

インフレ時はお金の価値が下がり

お金をモノに変える方が得なので

みんな、

こぞってお金を使おうとします。

例え「名目金利」が高くても

借りてまで買い物をする方が

得なのです。

今年は100円で2個りんごが

買えていたのに

来年は

1個しか買えないと考えるからです。

モノがよく売れると

企業も潤い、

「名目金利」が高くなった以上に

給料も上がってきます。

このようにお金の価値が下がると

「実質金利」が低くなっていきます。

現在のデフレスパイラル

現在は他の先進国に比べて

物価が安い“デフレ”状態が

続いています。

池上彰
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