新疆ウイグル自治区と漢民族の違い『知らないと恥をかく世界の大問題』池上彰著

知らないと恥をかく世界の大問題池上彰
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このところ中国の

「新疆ウイグル自治区」を

めぐるニュースを耳にしますが

イメージとしては

中国に無理やり虐げられていると

思ってしまうのですが

実際はどうゆ経緯で何が起こって

いるのでしょう。

無理やり占領されたわけでない

“新疆“とは「新しい土地」という

意味で、中国が清の時代に

勢力を伸ばした清が新しい土地を

組み入れて“新疆“と名付け

清の一部になったのです。

その後、

漢民族による支配が確立し

それが

そのまま中国人民共和国の一部に

なったので

そういう意味では、最近になって

中国に侵略されて無理やり

占領されたわけではないのです。

ウイグル族の民族意識が高まる

中国の西の端でトルコの東側のはずれに

位置して

ウイグル族は

トルコ系の民族でイスラム教徒です。

ウイグル語はアラビア文字を使いますが

中国国民の大多数を占める漢民族とは

元々、

民族も宗教も明らかに違うのです。

なので、清が崩壊すると

トルコ系民族であるウイグル族には

民族意識が高まりました。

これは中国にとっては国内の問題と

していますが

トルコ人や中東の人たちにとっては

同じ“イスラム教徒“が弾圧されていると

とらえられています。

西トルキスタンの独立に刺激される

この新疆省の民族意識が高まりから

1933年に

「東トルキスタン・イスラム共和国」が

建国されます。

「トルキスタン」とは「トルコ人の国」

(スタン=国)という意味です。

この国家は消滅し、

その後、

「東トルキスタン共和国」を樹立します。

ちなみに

「西トルキスタン」はソ連の一部でした。

そして、ソ連の崩壊したことにより

この「西トルキスタン」は独立しました。

「じゃあ〜うちも中国から独立しよう」と

と独立運動が活発になります。

しかし、現在は中国の「自治区」となっており

中国の一部という認識で独立に

至っていません。

漢民族とウイグル族との対立

元々、民族も宗教も違う者同士が

同じ国だということは

軋轢のもとになるのはいうまでも

ないことだと思います。

例えば、ウイグル族はイスラム教なので

豚を食べられないけれど

羊を食べているのは

漢民族にとっては違和感があったり

時には「ウイグルは羊臭い」などの

差別的な発言があったり

ウイグルはウイグル語で話すのですが

中国は共通語に北京語を

使っているため読み書きの上で

ウイグル族にはハンディがあります。

そのことでいい仕事がつけなかったり

出世できなかったりし

貧富の差が生じています。

中国は西部の開発に

巨額を投じ進めています。

それによって大量の漢民族が

流れ込んできて

アラビア語は次々漢字に置き換えられ

中心部の“ウルムチ“では漢民族の方が

多くなっています。

そして、暴動が起こるのは

漢民族に対するウイグル族の反乱

なのです。

その上、

近年は北アフリカの方まで

中国が進出していることによって

イスラム圏の人が自分たちの

仲間が虐げられた報復に

「アフリカで働いている中国労働者を殺す」

と宣言されたりし

中国の北アフリカへの進出に

ブレーキがかかる可能性も

出てきました。

トルコでもデモが起こり

中国製品の不買運動が起きたり

しています。

これに対して中国は

「宗教の対立ではない。不満分子が

 暴動を起こしているに過ぎない」と

 いう認識なのです。

しかし、イスラム教徒はそのような

考えてはなく

「イスラムの土地を守る」という

考え方で

イスラムの土地を異民族が侵略して

きたら、

戦う姿勢なのです。

中国はそれに対して

脅威を感じていると

著者は考えています。

まとめます

中国はあくまで清時代に中国の一部と

定めた領土にこだわり

その地域の民族や宗教を

軽視していることが

独立したいと思わせる要因と

なっています。

イスラム教は国関係なく

宗教による結びつきが強いので

いくら中国が自分の国の一部と

主張したところで

反発は避けられないのです。

池上彰
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