なぜGNPでは不都合のか?中国は日本のGDPを抜いたのか?『お金の学校』池上彰著

お金の学校池上彰
スポンサーリンク

内閣府が18日に発表した

令和2年度の国内総生産(GDP)は

物価変動を除く実質で

前年度比4.6%減だったと

産経新聞に掲載されていました。

これは

リーマン・ショック時(平成20年度)の

落ち込み(3.6%減)を上回る

戦後最悪の落ち込みだそうです。

これは“緊急事態宣言“が発令された

ことによるのはみんなが知るところ

でしょうが

このGDPが減少すると

どうなるのでしょうか?

本書ではGDPのことをわかりやすく

説明しているので

紹介します。

GDP(国内総生産)とは?

それぞれの国内で

それぞれの生産工程(商い)で

新し付け加えられた

「付加価値」(儲け)を

足していくことで算出します。

この「付加価値」とは

モノの総生産額から

材料費、燃料費、減価償却費などを

引いた金額がそれにあたります。

物だけではなく

特定の人・場所・施設や何らかの

サービスなどに付けられた独自の価値

なので

商品を売った儲け分だけでなく

サービス代や場所代、レンタル代や

いろんな利益になるものを

足していったものが

国内全体でいくらになるか

それが

GDP(Gross domestic product)

になります。

その後、政府が使ったお金や

輸出ー輸入のお金も含みますが

それはあまりたくさんでは

ないので

ほぼ国民得た儲けを足したものが

GDPの値となります。

GNPとの違い

1993年まででは、GNPという指標を

使っていました。

Nは National でした。

(国民総生産)

その国の国民、或いはその国の

企業が付け加えた付加価値(儲け)の

総額という形で算出されていました。

GNPでは不都合な理由

ところが国際化が進むにつれて

これでは、実情うまく説明できなく

なってきました。

例えば日本のトヨタや日産がアメリカに

工場を建てて

アメリカ人を雇って生産しても

日本の会社なので

日本の生産費(GDP)に換算されます。

逆にアメリカの大手の会社が

日本に入って来て

日本人を雇って生産、販売をしても

日本の経済活動に入らないので

換算されません。

これでは、経済の実態を表せない!

それで、GDPとなりました。

このGDPがその国の富や豊かさの

尺度になります。

中国のGDPがついに日本を抜いたのか

このようなことが囁かれています。

今、中国には世界中の企業が

参入してきて

さまざまなものを作ったり

販売したりしています。

それら全てが中国のGDPに換算されます。

なので

このGDPを持って中国の経済が

伸びているとは

言い難いところがあります。

また、人口にも差があります。

中国の人口は日本の人口の

10倍ほどで

国民一人当たりの豊かさでいうなら

GDPで追い越されたとしても

「豊かさ」の面では

まだ、日本がリードしていると

言えるでしょう。

まあそもそも、

地域によって裕福さの格差がある中国で

「一人当たりの豊かさ」を出しても

意味がないでしょう。

「豊かさ」とは

さらに言えば、

一家五人で夕食を取るとします。

スーパーで1000円の買い物をして

お母さんが作ってくれたものを

食べてとします。

これは国で言うとGDP1000円と言う

ことです。

しかし、

家族五人でファミレスに行き

一人1500円のものを食べると

GDPは7500円です。

GDPから見れば7500円の方が

「豊か」なものなのかもしれませんが

どちらが本当に

豊かな夕食を取ったのかは

言い切るのは難しいです。

残念ながらお母さんの家事代は

GDPには入りません。

ちなみにお手伝いさんを雇うと

その給料は換算されます。

GDPは豊かさの指標なのか?

GDPというのは

「金額が増えた=豊かさ」という

訳でもないのです。

それでも、GDPが多い国と少ない国が

多い方が

基本的には多い方が“豊か“であることは

間違いないようです。

GDP4.6%減とはどう言う事?

今回は緊急事態宣言で休業を強いられた

ことが原因と思われますが

景気が良い、悪いはこのGDPの

の伸び率で判断されます。

毎年この経済成長率が話題に

なりますが

元々貧しかった国が急成長した場合

この%も例えば20%みたいに高く

でたりしますが

日本のように成熟しきりと

なかなか成長率は高く出にくく

1%とか3%とかになりがちですが

マイナスが出てしまうのは

深刻です。

潜在成長率とは

もう一つの経済の指標は

「潜在成長率」というのがあります。

これは、今、日本がさまざまの産業が

フル稼働した場合

どのくらい成長できるかという

数字で

これが3%以上だと景気が良いと

言われています。

2020年の時点で日本は0.07%とも

言われています。

1990年前半が4%ほどだったので

それからは下降の一途を

たどっています。

まとめます

日本の経済状況も

なかなか厳しいものがありますが

GDPは確かに多い国と少ない国を

比べれば

多い国の方が豊かに違いないのですが

「金額が増えた」=「豊かになった」と

しっかり言い切れるものでも

ないのです。

池上彰
スポンサーリンク
スポンサーリンク
inuimieをフォローする
スポンサーリンク
ぽつのブログ

コメント