シャーデンフロイデ 『正しさをゴリ押しする人』榎本博明著

正しさをゴリ押しする人正しさをゴリ押しする人
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自分では正しい批判をしていると

思い込んでいるが

周囲の人たちの冷ややかな目には

どう見ても妬みからの

揚げ足取りのようにしか見えないと

いうケースがあります。

本書ではここからさらに進んで

人の幸せが許せないと言った

自分の幸せより、他人の不幸を求めたり

喜んだりする心理を

シャーデンフロイデという言葉で

紹介しています。

シャーデンフロイデ「人の不幸は蜜の味」

この言葉の語源はドイツ語だが

欧米でも広く使われています。

他人の不幸を喜びなんて

倫理的に許されない心理のため

自分がそんな心理を持ち合わして

いるなんて

認めたくないものでしょう。

しかし、人の不幸を喜ぶ気持ちが

本当にないと

言い切れるのでしょうか?

例えば、

不倫や離婚問題で叩かれている人

盗作疑惑、学歴詐称、失言などや

芸能人のスキャンダルなど

テレビのワイドショーや雑誌で

叩いでいるのを

喜んで見てしまう人が多いので

時間を空けず、絶え間なく

どこからかそのような話題を

探してきては流しています。

シャーデンフロイデが生じる3つの条件

著者はシャーデンフロイデが生じやすい3つの

条件をあげています。

第一に、

その人が不幸な目に遭うのは自業自得であると

思われる場合。

そうではなく、本人に責任はなく、

運悪く不幸な目に遭った人を

「いい気味だ」と攻撃する人は

少ないということです。

第二に、

その不幸の程度が

それほど深刻でないと思われる時。

病気や不慮の事故などの深刻な内容で

生じにくく、成績不振、失恋など

誰でも経験しがちなことで

起こりやすいようです。

第三に、

ターゲットとなる人の

社会的地位が高い場合。

向こうの方がこちらより

有利な立場にあると思うとき、

例えば、

有名人を叩くと

テレビの視聴率が上がったりする

ことでもわかりやすい。

自分よりモテる友達、出世している同期

自分より明らかに裕福に暮らしている人

これらの人に加え

同性の人が相手なら余計に

生じやすいそうです。

自尊心の低さが関係している

自尊心が低い人は

シャーデンフロイデが生じやすいと

いう報告があるようです。

逆に、自尊心が高い場合は

優れた他者を妬ましく思うことは

あっても

その相手の落ち度やネガティブな

状況に対して「いい気味だ」という

気持ちに抑制がかかりやすい

ということです。

なので、自尊心が高い人は

シャーデンフロイデを感じないようです。

シャーデンフロイデの正当化

妬ましい相手が現れても

その人物に落ち度がなければ

不幸を責め立てるのに

罪悪感が生まれがちですが

相手にそれなりの落ち度があれば

攻撃しやすいのです。

なので、

シャーデンフロイデを正当化するために

相手の落ち度を必死に探してしまう

心理になってしまいます。

それで見つかれば

シャーデンフロイデが起こりやすい

条件を満たすことになるのですが

その“落ち度“がない場合

攻撃対象を“誰でもいい“に

置き換えてしまいSNSなどの

情報に目を光らせて

落ち度のある芸能人を見つけたは

攻撃衝動を発散させる機会を

窺っているのです。

芸能人のスキャンダル報道に

興奮気味で目を輝かせるのも

正義の仮面を被った

シャーデンフロイデだと著者は

本書で言っています。

これらは、

溜まったストレスの発散のために、

叩いても非難されない、

落ち度のある人物を求めているのです。

まとめます

シャーデンフロイデとは

正義感のように見せかけて、

自分より優位で妬ましい相手の

落ち度を見つけ攻撃することで

快感を得る、憂さ晴らし的な

行為だということです。

正しさをゴリ押しする人
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