卒親のススメ 徒労に終わる子育て『2億円と専業主婦』橘 玲著

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少子化に伴い、

1人1人の子供にかける期待は

大きなもので、

子供が大人になった時の立派な姿を

想像しては

今のうちにしっかり躾けなくてはと

力が入りすぎてしまう

経験はないでしょうか?

でも、本書ではそのような過剰な

子育ては実を結ばないと

忠告しています。

「卒母のススメ」

著者が本書で引用している

2017年にSNSで話題になった

新聞の投稿が紹介してありました。

これには、子育ての本質が

見事に表現されていると

著者は言っています。

努力は実を結ばないのね

虫歯で苦労しないように仕上げ磨きを

かかさなかったのに

今じゃ歯磨きしない男に。

毎晩本の読み聞かせてきたのに

今じゃケータイ以外の活字を

読まない男に。

保育園や学校の給食表を

冷蔵庫に張り、

献立が重ならないように

手作りしたのに、

今はカップ麺大好き男に。

環境のため

親子でエコ活動をしてきたのに

今じゃ一面ゴミの部屋で暮らす男に。

少子化バンザイ。

こんな理不尽な母親になれなんて

未来ある人に絶対言えない。

徒労感いっぱいで、

私は卒親する気満々だ。

ただ、あふれる愛で、

大切な存在を守ることに

必死だった日々。

幻でも一度それがあったことに

感謝している。

卒親にあたって息子らに一言。

「努力しても実を結ばない世界が

 あるってことを、教えてくれて

 ありがとう」

(西東京市、疲れた母、55歳)

『二億円と専業主婦 』橘 玲

徒労に終わる育児に向かう母親

母親なら誰でも経験する日常の

子育ての日々です。

そして、その子供が大人になって

思う気持ちもこのような感情をもつ

母親が多いでしょう。

このありふれたエピソードと気持ちが

著者にとって

現在の子育ての考え方を象徴して

いると捉えられているのは

頷けるところです。

なぜ、あんなに一生懸命こだわって

子供の世話をしていたのでしょう。

このような結果を想像することは

本当にできなかったのでしょうか?

どこかで

これらの努力が“徒労“に終わると

思わないでも

なかったのではないでしょうか。

なぜ、頑張ってしまうのか?

それでも頑張ってしまうのは、

子育ての情報が氾濫し、それに伴って

周囲のママ友や夫や祖父母の目や

焦燥感がこのような

疲労感たっぷりで成果の出ない

子育てへと駆り立てられたのでは

ないでしょうか。

子育ての努力は実を結ばないのか?

著者は、「努力が実を結ばない」

のではなく

「過剰な家事・育児の努力は実を結ばない」

と言っています。

育児の”費用対効果“と

言ったところでしょうか。

ごく普通に愛してあげるだけで

じゅうぶんだということです。

さらに、著者は先進国の子供は

平均的には、

人類史の中でありえないほど

恵まれた環境で育っていると

指摘しています。

これらを踏まえないと

ますます、周囲からの育児の要求や

プレッシャーが高まり

ますます育児が「性役割分業」に

なっていき、

そのことでさらに、徒労な育児が

繰り返されることになるのです。

著者は本書で

進化論的には

「愛情があれば、家事・育児は手抜きしても

 子供の成長(人格形成)には

 ほとんど影響しない」ということを

言っています。

それは、人はある程度遺伝的な部分で

能力は決められていて

苦手なことは、なかなか母親が

頑張ってもできるようにならない

ということがあるからだと

いうのです。

まとめます

著者は、子育ては頑張れば頑張るほど

子供に良い影響を与え、

それがその子の生涯に亘り

アドバンテージになるというのは

少し違うと指摘しています。

ごく、普通の仕事をしながらの

子育てで十分だと

近年、少子化に伴って加熱している

育児について徒労に終わることが

あるということを

警鐘しているのです。

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