【価値観】なぜ理屈が通じないのか? 『正しさをゴリ押しする人』榎本博明著

正しさをゴリ押しする人正しさをゴリ押しする人
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「こんなに理論的に説明しているのに

なぜ、わからないのだ!」

と言い合いになっても

聞いているこちらは

ちっとも納得できない。

「頭がおかしいのか?」と言われても

真面目にそれが正しいことと思えない。

こんなことってないですか?

そんなことがなぜ起こるのかを書いた本書

にそのヒントがありました。

著者紹介

榎本博明

心理学博士。1955年生まれ。

東京大学教育心理学科卒。

心理学をベースにした企業研修、教育講演を

行っている。

立場が変われば持ち出す理屈が違ってくる

能力に応じた待遇 対 年功序列の待遇

近年では会社組織は

年功序列が崩壊してきている

というのは有名ですが

では、

能力に応じた待遇が良いのでしょうか?

では、会社組織から離れて、

学校の進級や

学級編成について考えるとどうでしょう?

日本では

習熟度別学習編成や留年には

まだ抵抗感が多い。

欧米では教育効果が上がらず

学力が身につかないのは

かわいそうという考え方で

進級の基準に満たない生徒を

留年させるのが当たり前なのが

日本では

能力別に分けたり、同じ年齢なのに

学年に差をつけるのは

かわいそうという心理面を重んじる

発想が強いのだ。

そこには

母性原理の強い社会と

父性原理の強い社会の

価値観の違いがあると

著者は言っています。

ユング心理学者の河合隼雄は、

母性原理を

「我が子はみんな良い子」の原理

父性原理を

「良い子だけがわが子」の原理

というように

それぞれを特徴づけている。

正しさをゴリ押しする人 榎本博明著

ここで言う、

留年させずに落ちこぼれが出ない

ことを第一に考える日本の教育は、

母性原理に

基づいていると記している。

この価値観に立てば、

「同じ年齢の人間は同じ待遇を受けるべき」

となり、その原理で言えば

会社においても「年功序列」が

望ましいと言うことになります。

しかし、

それでは能力の高い者や

結果を出しているものが不満を

持ちます。

ゆえにそういう方面では

能力や業績によって昇進や昇格に

差をつけるやり方で

父性原理を強化することになる。

すると極端な格差社会になっていく

という弊害が出てくるのです。

古代ギリシアの独裁制と民主制の争い

この問題を解決するために

哲学者プラトンは

2種類の平等を用いなければならない

といった。

能力のあるものを優遇するのが

正義ではあるが

それでは内紛が起こるため

大衆の不満を和らげる

無差別の平等もやむなく用いなければ

ならないということだ。

結果的には、どちらが良いとは

言えないのだ。

キャリアがすべて 対 家庭が第一

最近では、一億総活躍社会といって

保育施設の充実が叫ばれ

子供を0歳から預けられ

男女とも子育てから解放され

自分のキャリアの追求ができるように

なってきている。

そこで考えられるのは

できるだけ子供を預け男女とも子育て

から解放されることが正しいことで

それを妨げることは悪いことと考えて良いか

といこと。

ここで子育ての価値、子供の価値の

考えることになります。

生活の糧を得るための仕事であれば

生きていくために子供を預け

稼がなければならないが

経済的な困窮がない場合

それぞれの活躍のためやキャリアの

追求のために子供が足かせになり

どうしても預けなければならないと

言うのとでは

預ける事情がかわってくる。

子供に対しての価値観

誰もが子育てから解放されて

思う存分キャリアを追求できる社会にしょう

そのために誰もが子供を預けて働きに

出れれるように保育施設の充実を

目指そうと政治家やメディアは

しきりに行っているが

そうゆう社会や政策の中でも

子供を持つ親は全てそう考えて

いるというわけではなく

将来の社会を担っていく

子供を育てることこそ

重要と考える人もいる。

そのような人たちは子供を預けて

何にがなんでも自分のキャリアの追求を

すると言うことに違和感を感じる。

しかし、政府の考え方で言えば

子育て政策を進めているため

子育てが一番、子育てが楽しいなどと

言う人の声は

後進的で女性の地位の妨げになる

意見として取り上げようとする

可能性もあると著者は言っています。

このようにどちらが正しいかは

簡単に決着できないという

ことでしょう。

まとめ

立場が違えば物事を見る構図が違う

持ち出す理屈が違うのだ。

「なぜ、理論的に理屈をつけて話して

いるのにわかってもられない!」と

腹を立てる前にそもそも誰に対しての

理屈なのかを考えなくてはならない。

こちらの理屈が相手に通じずに

困るとき、議論がどうにも噛み合わない

ときは、立場の違いを考慮してみる

必要がある。

立場の違いを棚上げしていては

いくら議論したところで、

お互いに自分が絶対に正しく相手が

間違っていると信じ込み相手を

攻撃するばかりである。

正しさをゴリ押しする人 榎木博明著

ある意味、

理屈は説得している方の理屈ではなく、

相手の理屈と折衷しなければ

ならないということだ。

そもそも

どちかが“正しい“なんてことを

決めつけることのできることなど

ないということなのだ。

正しさをゴリ押しする人
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