臆病者のための億万長者入門 橘 玲に学ぶ なぜ日本はROEが低いのか?

橘 玲橘 玲
スポンサーリンク
ROEとは株主資本利益率 (Return On Equity)
株主資本に対する純資産で
経営者が株主から預かったお金を
どれだけ有効に使ったか?
を示す値。
例えば、株主資本が100億あって
純利益(材料や経費を引いたもの)が
20億ならROEは20%になります。
このROEを国際比較すると
欧米企業が20〜25%に対して
日本は10〜15%。
要するに
日本は欧米に比べて
株主から集めたお金を上手に使って
お金を増やせていない。

EPSとPERとは?

会社の利益(ROE)が上がると
1株当たりの純利益が上がる
(EPS Earnings Per Share)
このEPSが上がると
1株当たりの純資産に対しての
何倍の株価で取引されている倍率
(PER price Earning Ratio)
が下がって、益回りが上がる。
益回りがいいと嬉しいですよね。
そんな株は魅力がありますよね。
なのでこのROEの%を増やしたい。

なぜ、ROEが日本は低いままなのか?

この「経営者の成績表」とも言われるROE。
日本の経営者は無能なのか?
この本の著者は
日本政府が日本企業を世界レベルまで
引き上げるための大胆な成長戦略を取らない
からと指摘しています。
それというのも
日本の会社が収益率を無理にあげると
よくない事態が起こるからだと
言っています。
日本の失業率は4%で、
5%を超えると自殺が急増するなど
大きな社会問題につながる
心配がある。
それに対してアメリカは
世界金融危機以降、失業率は9%を超え
その後下がり続けて
13年6月の時点で
⒍7%。
なぜ、失業率が出てくるか?
収益率を上げるもっとも簡単な方法は
企業が利益の少ない部門は撤退し
収益の高いところに予算を
投入する。
そして。部署も廃止なら人もいらないので
リストラし人件費も減らす。
このようにコストを削減し
利益だけ追えば
このような状態になる。
しかし、日本では正社員の解雇は事実上
不可能なので
整理解雇の代わりに
ボーナスを削り、定期昇給もなくなり
福利厚生も廃止。
基本給までカット。
日本の会社は採算割れを覚悟で
商品を販売。
サービスも疲弊しながら提供する
ことになる。
このような状態でいくら
日銀が介入してどうこうなる訳では
なく、
硬着した流動性の低い労働市場にある
と著者は言っています。
アメリカのように
労働基準法を改正して
整理解雇ができるようにし
日本企業も余剰人員をいっさい
なくし採算の合わない部門の排除
をすると
過剰供給がなくなり
採算を度外視した価格戦略もなくなる。
そうなれば
物価も給料もあがり
売り上げや純資産も増えて株価が上昇する。
アベノミクスの理想型でしょう。
しかしその代償について
日本の失業率も欧米並みに10%超え
ここ数年減少していた自殺率やホームレスが
増加してくるかもしてない。
そんな成長戦略はいらないという人も
多いだろうと著者は記しています。
私たちは常に、何かを捨てて
何かを選ばなくてはならないと…
この本は難しいお金の話を
わかりやすく解説。
お金にまつわる人の思惑や
制度についての理解が深まります。
橘 玲
スポンサーリンク
スポンサーリンク
inuimieをフォローする
スポンサーリンク
ぽつのブログ

コメント