【コレステロール】食事に気をつければ下がるのか?『「代謝」がわかれば身体がわかる』大平万里著

代謝「代謝」がわかれば身体もかわる
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今まで、社内の健康診断で不動だった

コレステロールの値が

徐々に上昇してきている。

今まで、

とたった5〜10ぐらいの“はみ出し“に

コレステロール値キャッキャ言って

気にしていた同僚たちに

「それぐらい気にしなくていいよ〜」

なんて涼しい顔して言ってたのに

いざ、自分が“はみ出した“途端

「コレステロールを下げるお茶」

なんかが気になり始めた。😅

実のところ、

食事や食べ物に気をつけることって

コレステロール正常化に効果が

あるのかと疑問を持って

本書を読んでみた。

理学博士で生物・化学系ライターの

著者が本書でその解説をしていたので

紹介する。

コレステロールの役割

メインの機能は細胞膜の安定化。

細胞は分裂したり、新たな環境に置かれたり

変化する。

その度に、細胞を作る材料の

水に溶けない脂質たちは

ふらふらと安定しない。

その隙間を埋めて安定させるのが

コレステロールで細胞を丈夫に

している。

その他は脂質の消化吸収の補助する

胆汁酸の材料になったり

量的にはわずかながら

腎臓、副腎や生殖細胞において

ステロイドホルモン、皮膚での

ビタミンDの合成材料として必要と

されている。

コレステロールは体内で合成される

アセチルCoA(アセチルコエンザイムエー)

という酵素から作られる。

そしてアセトアセチルCoAと一緒に

HMG−CoAが生じる。

このHMG−CoAはHMG−CoAレダクターゼ

によってメバロン酸になり

これから四段階の反応を経て

イソペンテニル二リン酸となる。

これは様々な役割をも持つコレステロール

を作る玩具のブロックのようなもので

これの組み合わせで

脂溶性ビタミンが造られたり

ホルモンが造られたり

上記(コレステロールの役割)で

書いたような

いろんな誘導脂質が造られる。

これらコレステロールが造られる

どこかの経路を経てば

コレステロールの合成がストップ

するので

コレステロールを下げる薬は

この経路に作用し抑制して

下げさせるものがある。

アセチルCoAからコレステロールが

できるまで細かく見れば、

十七段階もの反応が必要で

それなりに長い道のりの代謝経路だと

著者は言っています。

コレステロールはこうまでして

合成しまければならない

大切な存在なのです。

コレステロールはカロリーとならない脂質

“肥満“とコレステロールはワンセットな

イメージがあるが

エネルギー(ATP)合成につながらない

化合物はカロリーにカウントされない。

ではコレステロールはどうやって

代謝(無くなる)していくのでしょうか?

体内をめぐってLDLによって肝臓に

戻ってきたコレステロールは

胆汁酸になり十二指腸に分泌されて

食べた脂肪分を消化できる状態にする。

そして、小腸で吸収されるのだが

そのときに一緒に大部分の

胆汁酸も吸収される。

こうやって、

体内コレステロールの多くは循環し続ける

小腸で再吸収されなかった僅かな分だけ

徐々に大便と一緒に排出されることは

ある。

油っぽい食事をとればコレステロールは上がるのか?

いくらコレステロールが大切で必要であっても

再利用され続けるなら

食事で取った油っぽいものから

コレステロールを摂取すればするほど

体内に溜まっていくのでは

何でしょうか?

しかし、身体はそうならないと

本書では書かれています。

私たちの身体は

巧妙に調整されています。

食事から摂取されるコレステロールの量や

小腸からの再吸収に応じて

コレステロールの合成に関する

上記で書いたような酵素が制御を受け

体内のコレステロールの値は

同じような量を保つように

調整されている。

ゆえに

コレステロールを含む食品ばかりを

食べてからといって

すぐには体内のコレステロールが

過剰に増え続けることはないと

本書では書かれています。

むしろ、コレステロールを輸送しながら

調節する

あの検診などでよく聞く

LDLとHDLの質の方に

コレステロール値をあげる権限があり

食事由来のコレステロールの

量の影響は小さいと考えられて

います。

本書では例として

鶏卵1個にコレステロールは約0.2g

成人男性の体内のコレステロール総量は

約120〜140gで

卵を6個食べて約1%程度

(これほど単純ではないが)

体内のコレステロールのうち

食事由来は2割程度なのです。

ゆえに食事を気をつけて

コレステロール値を下げるのは

難しいようですね。

ただ、コレステロールの元になる

アセチルCoAの生成が少なくなれば

コレステロールを作る材料が減り

理論上は合成が減るのではないかと

考えられるため

糖質の過剰から中性脂肪が合成され

中性脂肪を分解する過程で生じる

アセチルCoAを減らすには

糖質を控えることが

食事では必要となるということでしょう。

感想

確かに食事を気をつけて

中性脂肪や血糖は下がったのだけど

コレステロールの値は

むしろ上がっていた経験がある。

これは私見ですが

年齢とともに必要とされる

コレステロールが減少してきて

いくら制御して合成を少なくしても

余ってくるのかと思うことが

ある。

例えば、閉経すれば女性ホルモンが

減ってくるので

それの材料のコレステロールも

余ってくることもあるのでは

ないでしょうか?

このように加齢によって

コレステロール必要量が

減っていくので

歳をとるにつれてコレステロール値が

上昇していくのかも知れません。

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