【微生物】「腐敗」と「発酵」の境界線 人類が先んずるための工夫『「代謝」がわかれば身体がわかる』大平万里著

代謝「代謝」がわかれば身体もかわる
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毎日、忙しくしていると

時間のある時に食料品の買いだめや

作り置きなどをするのですが

それを保存するために

冷蔵庫を使用しますよね。

今では容量の大きな冷蔵庫でも

そんなに高くないので

家の台所に合えば

できるだけ大きい物が欲しいと思って

先日、「大きなスイカも冷やせるように」

と大容量の冷蔵庫を購入したのですが

搬送してくれた業者が

「あっ!入りませんね。」と

その冷蔵庫を持って帰って、また後日

“もう一つ小さいサイズ“のものを

搬送し設置してくれた。

この一連の流れは淡々と行われたことから

察するによくあることのようだ😆

なんでも冷蔵庫に頼ろうと大容量を

身の丈に合わず買ってしまったことで

業者の方には迷惑をかけてしまった。

これだけ「冷蔵庫」を過信してしまう

このことに理学博士で生物・化学系ライターの

著者は本書で警鐘を鳴らして

います。

人類は“微生物“と負けられない戦いをしている

冷蔵庫を買って物が腐らないように

防御しているようでも実際は

食料を「腐敗」される微生物が

冷蔵することで完全に追っ払えると

言うわけではない。

現に、今日も冷蔵庫の「野菜室」の片隅で

ピーマンが変わり果てた姿となって

発見された。😭

人類はこの“微生物“と共存しながら

しのぎを削り、微生物に先んずる攻防を

繰り広げている。

しかし、この世界には

莫大な種類の微生物が存在し

それがどんな悪さをするかさえ

わからない状態です。

しかし、

人類はこの戦いに勝てなくても

負けるわけにはいかないのです。

負けの「腐敗」と ぎり勝ちの「発酵」

とにかく、“微生物“より先に食べなければ

負けてしまうのですが

「腐敗」はまさしく先に食べられ

不快物質を大量に発生させられた状態。

それでも

食べられた結果、それほど不快ではなく

食べても身体に支障をきたさない

もしくは有用な物質が生じた場合は

「発酵」と言って、これは“微生物“に

負けた感じはない。

しかし、著者は

「先に食べられたには変わりない」と

言っています。😆

「腐敗」と「発酵」の境界線

例えば、韓国のドラマでもよく食べる

シーンがある“ホンオフェ“

(エイの切り身を発酵させた食品)や

よくバラエティー番組で

スウェーデンの「シュールストレミング」

(ニシンの塩漬けを缶の中で発酵させた食品)

を開けて、その匂いのリアクションを

楽しんでいる様子で

「すごいんだろうな〜」と想像できるのですが

これらも、「旨い!」と思う人もいれば

一時的にでも体調を崩す人もいる。

著者は「腐敗」と「発酵」の境界線は

主観的で曖昧なものだとも言っています。

微生物に先んずるための工夫

というわけで冷蔵庫だけでは

“微生物“に先に食べられない戦いには

勝つことはできない。

著者は今まで人類がやってきた

大半の工夫は

“酵素“の働きを低下させることだと

言っている。

“酵素“を機能しないようにすると

微生物の生命活動が停滞して

そうそう勝ってに食物を食べられる

ことも少なくなると言うのだ。

具体的にはどんな方法があるのか?

「乾燥処理」「凍結処理」

水がなければあるいは水が結晶化すれば

酵素は働きようがないということだ。

干物や乾物、冷凍食品や

様々なインスタント食品、フリーズドライ

がそれになります。

加熱処理

酵素は加熱によって変性しほとんどの

微生物の生命活動は停止する。

大抵は「火を通せば大丈夫」なのです。

ただし、火を通してもその食品を

“無菌室“で管理するわけではなければ

冷めればそれは微生物にとっては

さらに分解しやすいものになるので

油断できないと著者は言っています。

酸性化処理

「酢漬け」や「乳酸発酵」などのように

酸性条件にすれば酵素活性が下がることを

利用するもの。

ただし、酢にしても乳酸発酵にしても

それほどPH(酸性度)が

それほど極端でないため、酵素が完全に

変性しない場合もある。

自家製のヨーグルトやピクルスを

作る時にも注意が必要だ。

高濃度処理

「塩漬け」「砂糖漬け」のように

極端に高濃度な状況に食品を置くことで

微生物の酵素の働きを低下させる。

羊羹や荒巻鮭のように

砂糖や塩をふんだんに使うことで

微生物を抑え、長期保存できる

食品に仕上げている。

ぬか漬けや塩辛などの発酵食品も

塩濃度によって

必要以上に微生物が増殖しないように

工夫されている。

まとめ・感想

人類も微生物も「酵素を失活される」と

その力は弱まる。

だから、上記の処理がなされない食品は

遅かれ早かれ腐敗してしまう

ということをしっかり理解しておく。

「微生物は天然だから良い存在」

「冷蔵庫に入れておけば大丈夫」と

思い込んでいると微生物に人類が

“失活“されてしまうのだ。

だから、人類が勝つためには

酵素の労働条件を拒否し続けなけれは

ならないのである。

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