【ATP】基礎代謝を高めれば太りにくくなるのか? 『「代謝」がわかれば身体がわかる』大平万里著

代謝「代謝」がわかれば身体もかわる
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なかなか痩せないなあと悩んでいると

「基礎代謝」が低いからとか

「基礎代謝」をあげないとと

言われることがありますが

この“基礎代謝“とは一体、なんなんのでしょう。

理学博士で生物・化学系ライターの

著者が本書でこの“基礎代謝“は変化しないと

言っています。

それでは“基礎代謝を高める“とは

どういうことでしょう。

本書で

わかりやすく解説している部分があるので

紹介します。

基礎代謝量(Bass Metabolic Rate)とは

著者が記している厳密な定義とは

「12時間以上の絶食後、安静状態で

 1日あたりに

消費されるエネルギー量(kcal /day)」

である。

このエネルギー量を求め方として

現在最もよく使われているのは

「人から排出される二酸化炭素の量を

 測る方法」で

体内のエネルギー量の増減は、

体内で合成されるエネルギー源の

ATPの増減であるため

その合成に酸素が使われ、その結果

二酸化炭素が体外に排出されるので

その量を測定すれば

合成されたATPの量の推測される。

“基礎代謝量“は

「安静時に身体が消費する1日あたりの

 ATP量」と言い換えられる。

ゆえに

「基礎代謝が高い・低い」というのは

「生命維持に必要なATP量が多い・少ない」

という意味だと著者は言っています。

基礎代謝を高めれば太りにくくなるのか?

若者の方は基礎代謝は高い?

 体内のエネルギー(ATP)は

代謝や運動(筋収縮)に使われるので

代謝が盛んな細胞や筋肉が多いほど

基礎代謝量も大きくなる。

ATPの消費量が多い臓器として

肝臓、脳、筋肉、腎臓があるが

それらの成長や循環が盛んで

細胞も比較して多いとされる若者の方が

代謝量も多くなる。

運動しなくても消費するのが基礎代謝量

ちなみに

「安静時には筋肉は使っていないのに

 なぜ、そのようにATPの消費があるのか」

と疑問が出てくるが

実際は、意識していないが

運動以外でも、心臓の拍動や肺呼吸、

大勢維持などにも常に

ATPは消費されているし、筋細胞自体も

数が多いのでそれらを単純に維持する

だけでも多少エネルギーが使われている。

基礎代謝で消費されるATPは

標準的な暮らしぶりで全ATP量の

60%を占める。

安静にしていてもATP合成には脂質が

(食事として入ってこなくても“貯蔵“の

栄養素の脂質があるから)

使われるのです。

ならば

「基礎代謝を高めれれば太りにくくなる?」

と思ってしまうが

そう単純ではないと著者は記しています。

基礎代謝は変化しない

基礎代謝量は今ある身体が必要と

しているエネルギー量である。

そして、

自分の身体の心臓、肝臓、腎臓、脳の

大きさなどは既に決まっています。

それらの大きさはそうそう変わらない。

筋肉量は運動などで増やすことが

できますが

筋肉の単位重量あたりのエネルギー消費量は

たかが知れているので

消費に大きく貢献できるほどのものでは

ないと著者は言っています。

身体は必要としないのに

エネルギー(ATP)を作ることはないので

材料となる脂質たちの減量にはならない

といいことなのです。

実際、基礎代謝量の及びその基準値は

年齢・性別・身長・体重の異なる

様々な人の正確な測定結果を集計して

決定している。

最近では年齢・性別・身長を入力すれば

基礎代謝量を

算出してくれる体重計もある。

これは、「二酸化炭素の排出量」を

計ったわけではないのにその人の

基礎代謝量が基準値を元に

測った体重から演算しているのである。

もし、なんらかの努力で基礎代謝量が大幅に

変動するなら

こんな計算は意味がないのである。

基礎代謝量が著しく低い人

恒常性(体調を自動に整える機能)

が著しく低下した人は

「身体維持に必要なATPを合成したくでも

 できない状況。」

であることが多い。

例えば

自律神経やホルモンの機能不全や

ミネラル・ビタミン類の欠乏

酵素やタンパク質自体の材料である

アミノ酸の過不足などが原因として

あげられる。

そうなってしまっては

ATP合成に使える脂質がいくらあっても

有効に活用できない。

これは

「設備不良の車両で本来の性能が

 引き出せない」ような状態といえます。

本来の基礎代謝量に戻すことで太りにくくなる

こうした本来の基礎代謝量から大きく

逸脱してしまったものを

栄養のバランスを整えたり

充分な睡眠を確保したり

適度な運動を続けたりすることで

その人の本来の基礎代謝を取り戻せたら

『以前よりは太りにくくなった」という

ことはありえない話ではない

と著者は言っています。

感想・まとめ

基礎代謝量は年齢・性別・身長・体重で

計算できる。

そのことからも本人の努力で

基礎代謝量を高めることは

難しい。

しかし、基準値から大きく外している人は

栄養のバランスを整えたり

睡眠をしっかりとったり

適度な運動をすれば、

本来の自分の基礎代謝を取り戻せば

「以前よりは太りにくくなった」と

実感することはできる。

しかし、それ以上基礎代謝を上げることは

難しい。

なぜなら、脂肪を分解するための

基礎代謝ではなくて

生命を維持するためのエネルギーを

作るための基礎代謝でしかないので

必要以上についた“お肉“を取るに

脂質をエネルギーに変えている

わけではないからです。

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