【脂質】良い油と悪い油 『「代謝」がわかれば身体がわかる』大平万里著

代謝「代謝」がわかれば身体もかわる
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身体の調子を整える脂質として

エイコサノイドという物質が

必要である。

それを合成する(作る)には

不飽和脂肪酸である。

よく聞いたことのある

リノール酸・α−リノレン酸などが

それに当たるのですが

どのような食品から取ることが

できるのでしょう。

理学博士で生物・化学系のライターが

私のようの“素人“にでもわかりやすく

解説してくれています。

今回は時代とともに

この「油分」と取り方をめぐっては

いろんな賛否があったことを

著者がまとめて書いている部分を

ピップアップしてみました。

初めに「悪い」と名指しされた「飽和脂肪酸」

この飽和脂肪酸を摂取しすぎると

心筋梗塞のリスクが高まるという

研究報告があり

それまでパンにはバターを塗っていた人は

「これはいけない」と

バターに似たマーガリンに変えてみたり

した。

そして「コレステロールを下げる脂肪酸」

として“リノール酸“を多く含むものが

多く売れました。

しかし、リノール酸自体は

必須脂肪酸なので良いのですが

時代が進むと

「リノール酸の過剰摂取は

アレルギーを悪化させたり、大腸がんの原因

になったりする」という

報告が出てくるようになったのです。

これまで健康に良いとされていた

リノール酸が

一気に“悪者“になってしまったのです。

次にきたのは「魚の油」DHAやEPA

リノール酸が「悪い油」とされた一方で

「健康のためには魚の油

(ω3系の脂肪酸であるDHA、EPA)を

せっせと取らなければならない」と

言われ始める。

確かにエイコサノイドという

身体の調子を整える物質を作るには

必要な栄養素だと著者は言っている。

しかし、今度は

「EPAやDHAは酸化を受けやすい脂肪酸

だから、体内で過酸化脂質となり

がんや動脈硬化の原因となる」と

いわれるようになる。

これも著者は

不飽和脂肪酸は「化学的」には

飽和脂肪酸に比べて酸素と反応しやすく

過酸化脂肪になりやすいのは

確かなことだと言っています。

次はオレイン酸(ω9系脂肪酸)がくる

では、不飽和脂肪酸の中でも

酸素の影響を受けにくい

オレイン酸を多く含む食用油が

スーパーに並ぶようになる。

現在最も「悪役」はトランス脂肪酸である

この“トランス脂肪酸“は不飽和脂肪酸ですが

食品を加工する段階(熱を加えたり)

でできてしまう物質で

このトランス脂肪酸の摂取が

心血管の疾患に関与しているという

報告があり

米国ではトランス脂肪酸を多く含む

マーガリンなどの

販売を禁止しています。

結局はアセチルCoAになる

実はどんな脂肪酸を取ろうと

脂肪酸を作ったり、

糖質から脂質にのなるための

β酸化過程で

トランス脂肪酸は生じてしまうと

著者は言っています。

他の脂肪酸と同じで最終的には

“アセチルCoA“という

エネルギーを生む物質に変わるのです。

脂肪酸はバランス良く摂取する

実際はマーガリンを飲むほど摂取しなければ

トランス脂肪酸の影響を

受けることは少ないという。

というのも

食品から摂取した脂肪酸の影響は

分子レベルで詳細に研究されている

ものは非常に少ないからです。

脂肪酸は細胞膜にも血液中にも

脂肪組織にも多く存在していて

生化学的にその生理作用を

きちんと解明するのは難しいからです

結局は

「脂肪酸はバランス良く摂取しましょう」

ということになるということ

なのです。

感想

栄養に関しては

時代や時間の経過とともに

「良い」とされていることが

変わってくる。

要するにやってみて(食べてみて)

結果論で“良い““悪い“と言っている

だけで

最終的には何がいいかわからない

状態なのです。

ゆえに、満遍なく食べることしか

できないということです。

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