【感想】家栽の人 バラ(前後編)強姦殺人事件の少年逆送せず

家栽の人家栽の人
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毛利甚八作、魚戸おさむ画の小学館『ビックコミック

オリジナル』に連載された青年漫画。

家庭裁判所の略の「家裁」をこの作品では

裁を栽にしている。

植物になぞられた事件を植物をこよなく

愛する温情派の裁判官が少年審判

家事裁判を解決していく話。

あらすじ

16歳の少年が女性会社人を強姦殺人を

しました。

年齢的には家庭裁判所で裁かれるべきですが

凶悪犯罪の場合で刑事処分が相当と

判断されたると逆送され

検察官によって審判される。

この少年のケースはどちらが相当か

迷われたが、家庭裁判所の桑田判事は

(この物語の主人公)

この少年を家裁で審判すると決めます。

花の色が違うくらいで騒いだりしない

このセリフは、

新聞記者が花を愛でていた桑田判事に

ただの家裁の職員と勘違いして

「先日の強姦殺人事件は裁判所内では

どう受け止められていますか?」

と聞かれた時に行ったことです。

この「花の色が違うだけで騒がない」の

セリフの中に

犯罪の大小にかかわらず犯罪を

犯した子供たちの見方は変わらないという

桑田判事の姿勢が伺えます。

白いバラの品種はホワイトマスターピース

死体の側には白いバラ

殺された女性の傍に白いバラが添えられて

いました。

少年は大量の白いバラを部屋に飾っています。

それは、美しさを愛でるためではなく

腐敗臭が漂う中、朽ちていく過程を

眺めていたのです。

この辺りから、少年の狂気のようなものを

感じた調査官は桑田判事に刑事事件に

するべきだと進言します。

しかし、桑田判事は家裁での審判を変えません。

この事件は、マスコミにも取り上げられ

その雑誌に目を止めた

桑田判事はこのバラに気づきます。

事件の影に白いバラ

少年はいつも仲の良かった同級生にも

無理やり関係を持つように襲いかかります。

その時、その少女は部屋に飾ってあった

バラを少年の背中に挿します。

その時出てきた血をにやりとしながら

凶器の薔薇と一緒に眺めています。

そして、被害者の会社にも白いバラの花束を

持っていって罵られます。

被害者の女性はこの少年を弄び自分が

結婚するからと捨てた経緯があります。

少年はこのことは桑田判事に話しません。

悲しい生い立ちの少年

政治家の愛人の子として生まれるが

認知されず、

祖父母の戸籍に息子としてはいり

祖母が亡くなった6歳の時

実母の子供になったのですが

実母には、常に彼氏がいて ネグレット状態

になる。

政治家からの養育費で一人暮らしをする。

母親は息子に対して恐怖感を持っている。

人の生命を奪える程の不幸は存在しない

犯罪の動機を知ろうと桑田判事はねばります。

愛人の子であっても、認知されず祖父母の

子供として育ち、その祖母が亡くなる

少年6歳の時実母に引き取られるか

実母には常に男がいたこと。

「赤ん坊の頃、母親に充分甘えて育たないと

不安定な性格の子供に育ってしまう

という学説もあります。」

家栽の人 6 より

少年から真相を聞き出そうとすると

「もう、好きにしてくれ!」と

少年はいいます。

「(生い立ちに)同情なんかされたくねえんだ」

その時、桑田判事は

「同情じゃない。人の生命を奪える程の

不幸は存在しない」と言い放ち

「君は中等少年院に収容される」

と判決されます。

まとめ

少年は被害者に弄ばれたいたことを

話すことはありませんでした。

しかし、桑田判事は何か隠していることは

わかっています。

桑田判事はただ罪を償うだけではなく

少年院で養育されたかったのかと

思います。

ちゃんとやったことの重さを

知らしめて

その上で少年のこれからを

今までも人生から修正していく。

1993年に片岡鶴太郎が主役でドラマになった

片岡鶴太郎が桑田判事役で放送された。

その時、この「沈黙の少年」が今でも

心に残っています。

しっかり寄り添いながらも

悪いことをしたことはしっかりとわからせる。

子供は寛大で愛情を持つ大人に

導かれてこそ、成長していけるのです。

家栽の人
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