【反抗期】子育ては戦争だ 愛情と社会の秩序を守る『積木くずし』穂積隆信著

積木くずし積木くずし
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この本のサブタイトルに

「親と子の二百日戦争」とあるように

まさしく壮絶な子育ての内容なのですか

1983年に

テレビでドラマ化されたもので

あの頃は、私がこの本に出てくる

主人公の娘役と同じ歳で

今は丁度、この年代の子供を持つ

親の立場でこの本を読むと当時より

納得させらてることが多いと思い

読み返してみました。

あらすじ

俳優の父親を持った病弱だった女の子は

中学校にあがってまもなく学校に馴染めず

不登校、家出、補導、シンナー吸引など

非行にはしるようになる。

手を焼いた両親は、

警視庁少年第一課に相談にいく。

「いじりすぎましたね」と一言。

そこで、少年第一相談室、心理鑑別技師

竹江孝と出会い、竹江の指導のもと

娘を更生させていくお話。

非行からの更生マニュアル

このマニュアルを絶対に守ることと両親は

指導員竹江さんから念を押されます。

一、子供と話し合いをしてはいけない

(親からは絶対話しかけてはいけない。

子供から話しかけてきたら

愛情を持って相槌を打つ。

意見を言ってはいけない)

二、子どもに交換条件を出してはいけない

相手の条件も受け入れてはいけない

三、他人を巻き込んではいけない

(どのような悪い友達だと思っても、

その友達やご両親のところへ

講義したり、まだ、電話などかけたりしては

いけない)

四、日常の挨拶は子どもがしょうが

しまいが「おはよう」「おかえり」

「おやすみなさい」等

親の方から正しくする。

子どもがそれに応じなくても

叱ったり、文句を言ったりしないこと

五、友達からの電話、その他連絡があった場合

それが如何なる友達からのものであっても

事務的に正確に本人に伝えること。

積み木くずし 穂積隆信著

子供と話し合いをしない

意見を言ってはいけない

まず、子どもを叱らない

本来、夜中に繁華街をうろうろして

あちらこちら探し回った挙句

なんの反省もしていないなら

親なら叱って殴ってしては

いけないことを教えたいところです。

しかし、本書の指導員の教えでは

シンナー吸引などは

体にもよくないことなのに

それでも、取り上げるだけで

怒ったりしてはいけません。

学校に行かなくても放置です。

家に帰らなくても、探したり、理由を

聞いたりしてはいけないという

ものでした。

子供に交換条件を出さない

お金を渡さない

今までは、人さまのものに手を出す

ことだけは、避けたいがために

お金を望んだだけ渡していた両親は

「一切渡してはならない」と竹江さんより

指導されます。

しかし、これは何度か耐えきれなくて

渡してしまう両親。

竹江さんの指示は例外なく

絶対守らなければならないものでした。

その証拠にこの少しの油断が

子供の状態を悪化させていきました。

後半では、腹をくくり始めた母親が

お財布の入ったバックを抱えて

子供に蹴られても殴られても

抵抗して渡さなかったエピソードが

書かれています。

他人を巻き込まない

非行にはしる場合

単独ではなく集団です。

当然、関わる人間が多くなります。

(という意味では、人間関係が希薄となった

現在では非行?というのは減少しているかも

しれません)

電話は事務的に取り次ぐ

友達からの電話も昔は固定電話で

取り次がなければならなかったので

悪い友達から遠ざけたい一心の両親は

取り次がなかったり

かかってきた友達を邪険に扱ったり

することで、

子供との摩擦が生じます。

さらに、

「由香里さんが家を出ている間、

友だちから電話がかかって来た時は

必ず横に由香里さんがいると思って

ください」

積み木くずし 穂積隆信著

この忠告は

友だちと子供はいつも

一緒だと思って喋るようにという注意だが、

両親が自分の子供のことしか

考えていないことの

戒めでもありました。

竹江さんに指示されるまでは

友達から遠ざけることばかり

考えていた両親ですが

最後のは、家に出入りする子達が

挨拶をして入り、

時間には帰っていくようになります。

門限を守らせる

これは、後半の詰めの段階で

門限を設けることになります。

竹江さんの指示は午後10時には

鍵をかけてそれ以上遅れたら

絶対に家に入れてはならないこと。

友達が家に遊びにきている場合でも

帰すようにする

もし、帰らなければ110番すること

と指示されます。

これは13歳の子供にとってはきつい

ことでした。

自分から警察に行って警察から

「家に入れてあげてください」

とお願いしてもらうほど。

それでも両親は指示を守って入れません

先生や警察からも

「なんて親なのか」と罵られても

門限を破ったら入れない方針を貫きます。

しかし、

それに耐えきれなくなった両親の方が

破って家に入れてしまったことが

あったのですが

その時、竹江さんからは

「本気でなおすつもりはあるのですか」

「いいですよ。私の子供ではなんですから

あなたたちで見守ってあげてください

ここで打ち切りましょう」

と言われてしまう。

それを聞いて慌てて反省する両親。

子育てなのが両親育てなのか…

とにかく、両親の確固たる態度が

なければどうすることもできないことを

何度も竹江さんは強調します。

何事も人のせいではなく自分自身のせい

指導者の竹江さんが目指していること

それは、自分の責任は自分でとること。

自分が心からいけないことをしている

とわからななければ

周りがいくら言っても治らないと

いうことを一貫して説いています。

そのための厳しい指示なのです。

本人がやめようと思わないかぎりは

絶対にやめられるものではありません

積木くずし 穂積隆信著

親が本気にならなければならない

竹江さんはこれにも注力しています。

この竹江さんは、母親が血尿が出ようが

蹴られたり殴られたりしようが

警察や学校の先生に非難されようが

由香里さんのことだけ考えて

気持ちがブレることなく、一貫する

ことを指導します。

そのために竹江さんも

警察を説き伏せたり

学校の先生に依頼したりと奮闘します。

しかし、感情的ではない。

14歳になるまで両親に辛抱させるのも

少年法の適応を待つため。

法で裁くのも辞さないということ。

愛情と社会の秩序を守ることは別と

考えている。

この冷静さが由香里さんを

救うことになる。

まとめます

全編うなずきどころ満載の作品。

このドラマが見たいがために

野球中継の父親と喧嘩して家を飛び出し

夜の田んぼ道をかけて行ったことを

思い出します。😆

今、親になってそこまでしてみた

ドラマの残像が子育て中に蘇り、

多かれ少なかれ、子供を育てるのは

戦争見たいなものだと痛感しました。

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