【乳酸】筋肉の疲労物質 溜まったらどうなるの?『「代謝」がわかれば身体がわかる』大平万里著

代謝「代謝」がわかれば身体もかわる
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激しい運動などで筋肉を使うと

「なんか、ふくろはぎに

 “乳酸“が溜まったみたい」と

あまり良いイメージではなく

使ってしまう。

なぜ、「悪者」扱いしてしまうのか

本書の著者、

理学博士で生物・化学系のライターは

「不幸のある家の屋根にはカラスが

止まっている」というように

カラス自体がこの家を不幸にしたわけでも

ないのに“乳酸“にはそんなレッテルを

貼られているだけだと

言っています。

その誤解を解くべき内容が

本書には書かれてあったので

紹介します。

乳酸は疲労筋肉に蓄積するが疲労の原因ではない

激しい運動によって“乳酸が筋肉に

蓄積するのは事実のようです。

しかし、乳酸自体には毒性はありません。

それでもエネルギー(ATP)を使った時に

出てしまった代謝産物であることには

かわりありません。

とは言うものの

そもそも「疲労」と言うのは

筋肉そのものというより

身体からの情報を受け取った“脳“が

どのように感じるかで生じること

なので乳酸が溜まる=疲労では

ないと著者は言っています。

乳酸の代謝・臓器間でのやり取り

筋肉で蓄積した乳酸は主に肝臓に運ばれる。

肝臓を働かすのに筋肉ほどエネルギー

(ATP)を使わないので

ATPを合成するための

“酸素“には余裕がある。

すなわち、

肝臓はエネルギーには余裕がある。

筋肉は動かせば、エネルギーが膨大に

いるので

筋肉を動かすための

エネルギーを合成したり

その後できてしまった代謝物を処理して

もらうのに肝臓は適した臓器なのです。

肝臓で乳酸からグルコースを作る(コリ回路)

筋肉ではエネルギーを作るために

是が非でも“グルコース“が必要である。

“グルコース“はいわゆる血糖。

これを“乳酸“から作ってもらえないかと

肝臓に送り込んでお願いしている。

まあ、“燃えカス“みたいな乳酸で

エネルギーの材料を作ってもらえれば

省エネで助かりますよね。

そんなんです。

肝臓は逆回転して

乳酸からグルコースを作るという

革新的な発動をするのです。

身体って偉いですよね。

これを発動するにもエネルギー(ATP)が

いるので、

ある程度肝臓からATPが投入されます。

(肝臓自体は動かすのにエネルギーをあまり

 使わずむしろ溜め込んでいるので

 ここぞとばかりATPを投入するのです。)

そして乳酸にATPを反応させて“グルコース“を

作ります。

そして肝臓で作られた“グルコース“は

血液に乗って筋肉に運ばれていき

再び、エネルギーになるという

ループを作ります。

これを発見者の名前を取って

「コリ回路」と呼ばれています。

そして、筋肉で生じた乳酸は

十分な酸素を与えられ

エネルギーの消費も減り不必要となれば

酸素を使って身体の外へ排泄される

こともできる。

感想・まとめ

疲労自体は脳で感じるので

すごく疲れたと感じても

必ずしも、乳酸が溜まりに溜まって

いるとは限らない。

しかし、いろんな代謝を担っている

肝臓が不調になると

全身の疲労感につながるのは

このことからも

頷ける話だと思いました。

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