宝くじはギャンブルである『不愉快なことには理由がある』橘玲著

不愉快なことには理由がある不都合なことには理由がある
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宝くじの魅力は

「一攫千金」にあるのですが

それなのに

「宝くじを買う人はお金持ちになれない」とも

言われているようです。

その理由について

本書では、期待値の計算にあると

書かれています。

“宝くじ“の期待値はどのぐらいなのでしょう。

宝くじは「愚か者に課せられる税金」

著者は少し乱暴に“宝くじ“を買うことの

損失を言っています。

参加費が安いほど儲かる

ギャンブルは、賭け金からシャバ代などの

経費が差し引かれ、

残金の合計を勝者(当選者)が

総取りする仕組みになっています。

競馬を開くには

競走場や競走馬が必要なので

賭けの参加者がその必要経費(シャバ代)を

支払うのは仕方ないのですが

これが安いに越したことはなく

安ければ安いほど

勝った時に支払われる

“払い戻し金“も大きくなります。

宝くじの払い戻し「期待値」

ある賭けをして100円投じた時、

平均してそのうちいくら払い戻されるか

というのが「ギャンブル期待値」で

日本の宝くじは平均な期待値が47円

だそうです。

これがどのぐらいなのかでいうと

競馬や競輪などの

公営ギャンブルの期待値は75円(経費25%)

ラスベガスのルーレットは約95円、

パチンコやスロットは97円と

されているようです。

そう考えると、

日本の宝くじの平均的な期待値は

恐ろしく低いと著者は言っています。

サマージャンボを3000円分買うと

1590円が日本宝くじ協会によって

差し引かれます。

このことから

「愚か者に課せられる税金」と

呼ばれているそうです。

一攫千金の夢見る者=愚か者

ということなのでしょうか?

宝くじを購入する人は

そもそも宝くじ=ギャンブルと

思っているのでしょうか?

交通事故死よりも確率が低い宝くじ

それでも

「1等前後賞合わせて3億円!」

と当たる金額が大きいのが

宝くじの醍醐味で

人気の売り場は長蛇の列になっています。

しかし、この誰もが期待する

一等当選は交通事故で死ぬ確率より

低いというのです。

購入者が合理的であれば、

大金持ちになる前に

交通事故死してしまうことを

考えて買うのをやめようかなと

思ってしまっても仕方がないでしょう。

それでも膨大な数の“宝くじ愛好家“が

いるのは

自分の人生にはとてつもなく幸運が

訪れるかもしれないという

射幸心はあり

とてつもない不幸はないだろうと

思ってしまう楽天家が多いという

ことだと著者は言っています。

当せん=幸福ではない

宝くじというのは

行動経済学的に言えば

確率が正しく計算できない不合理性と

持ち前の“ポジティブシンキング“に

支えられて大繁盛していますが

では、当せんすると夢が叶って

幸せになれるのでしょうか?

そうでもないと著者は言っています。

アメリカでは、宝くじで何億円も当てると

新聞やテレビに顔写真付きで大きく

報道されます。

そして、当選者を追跡調査すると

人生の満足度が大きく下がっている

ケースが多いことが知られています。

なんとなく想像できることですが

遠い親戚や昔の知人にねだられたり

それらを拒否すると

親しい友人を失ったりと

お金も放蕩三昧に使い切ってしまうと

自分には何も残らないという

ことが起こるのも頷けます。

そう考えれば、

宝くじを買って見ようかなあと

思いはしても

合理的に「やっぱりやめよう」と

考えるのがちょうど良い

“宝くじ“への考え方なのではないかと

著者は言っています。

まとめます

宝くじを“ギャンブル“と考える思考も

私にはあまりわからなかったです。

思えば、若い頃ギャンブルに明け暮れて

いた人が

晩年、歳をとって賭博場へいけなくなってから

宝くじを買い始めるというケースも

あったので

“通“の人にはちゃんとこの宝くじの

“賭博性“がわかるのでしょう。

著者は小学生でも計算できる

「期待値」を理解せず

宝くじを買い続けるのは

高納税者であると

皮肉を言っているのです。

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