“我慢しすぎる“という自己コントロール力の消耗を防ぐ『不愉快なことには理由がある』橘玲著

不愉快なことには理由がある不都合なことには理由がある
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一事が万事とよく言いますが

ダイエットや禁煙など

自分の意思がよほど強くなければ

達成できないことができる人は

自己コントロール力が高い人と

言えるのですが

このような人は

仕事をやらしても達成力が

常人よりもありそうですが

それは意外とそうではないようです。

ダイエットや禁煙などに成功すると

なぜ、仕事がうまくいかないのでしょう。

自己コントロールは有限ものである

この自己コントロールが有限であることが

ダイエットと仕事の両立を阻んでいるようです。

「クッキーとダイコン」の実験

ちょっと意地悪な実験を例にあげて

説明しています。

同じ部屋に、焼かれたばかりの

美味しそうなチョコチップクッキーの皿と

千切りにしたダイコンの皿が

置いてあります。

「味覚の記憶についての実験」に

協力を申し出て大学を二つのグループに分け、

半数の学生にクッキーを

残りの学生にダイコンを食べてもらうよう

お願いします。

焼きたてクッキーの美味しそうな

匂いを嗅ぎながら

くじに外れたダイコンチームは

嫌々不味いとされる

ダイコンを食べなければなりません。

依頼した研究者たちはわざと部屋を出て

監視を解き

その気になれば

“つまみ食い“できるように

しているにもかかわらず

「研究のため」と半数の学生には

我慢を強いたのです。

集中力を試すパズル

次にこの大学生たち全員に

一筆書きで複雑な図形を描くという

パズルをしてもらいました。

このパズルはどうやっても解けないのですが

学生はそんなことを知らないので

あれこれ試行錯誤しながら

必死に取り組みます。

実はこの実験の本当の目的は

クッキーを食べて学生と我慢して

ダイコンを食べて学生とでは

集中力がどのぐらい違うのかを

知るためのものでした。

その結果は、

クッキーを食べた学生は

平均してパズルに19分を費やして

34回の試行錯誤を繰り返したに比べて

ダイコンを食べた学生は

8分であきらめてしまい、

試行錯誤の回数も19回でした。

これは

クッキーを食べて学生に対して

ダイコンを食べた学生は半分しか

集中できなかったということが

わかった結果でした。

自己コントロールは消耗品

これはなぜなのでしょう?

これは自己コントロールが消耗品だと

いうことなのです。

ダイコンを食べた学生は「クッキーが食べたい」と

思っているのにも関わらず

その欲望を意思の力で抑制したことに

よって

「自己コントロール力」を使い果たして

しまったためにパズルに集中できなかった

ということのようです。

自己コントロールの枯渇

一般的に

ダイエットや禁煙を達成するには

困難なことだと言うことは

知られていますが

この実験の結果で

超人的な意思力でダイエットや禁煙に

成功した人というのは

そのために「自己コントロール力」を

使い果たし、

他のことがちゃんとできないかも

しれないというのです。

例えば、身なりに気を使っている人が

意外と仕事ができなかったり

その反対に普段はだらしないのに

仕事や勉強をさせると

異常な集中力を見せる人もいます。

これらからも「自己コントロール力」は

有限であり、

その配分をどのようにするかで

物事の達成度が変わってくるという

ことです。

なので、

あれもこれも自分の意思次第でできる

いうわけではないのです。

枯渇した自己コントロールを補う環境

では、どうすればよいのでしょう。

著者は「環境を変える」ことを

プラスした方がいいと言っています。

著者は“ホリエモン“こと

堀江貴文氏が刑務所に収監されている間に

20キロ痩せたことをあげて

ダイエットのために刑務所に入ることは

できませんが

無理に「自己コントロール」を続けるより

外部コントロールを利用した方が

ずっと効果が上がると言っています。

まとめます

自己コントロールは有限で

なんでもかんでも自分の意思の強さで

物事が達成できるものではないと

いうことが本書を読んでわかりました。

確かに“ホリエモン“のように

環境を極端に変えると

自己コントロールを補うことができる

ようですが

なかなかそれもできないのが現実でしょう。

やはり、一般的には

何がやり遂げなければならないことが

ある場合、

他のことは捨てて、

自己コントロール力の

消耗を防ぐことが大切でしょう。

自己コントロール力は枯渇するものだと

知っているだけでも

“我慢しすぎる“という

自己コントロールの消耗を防ぐことが

できるでしょう。

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