負けた側には死が待っている『銃・病原菌・鉄 上』ジャレド・ダイアモンド著

銃・・病原菌・鉄銃と病原菌と鉄
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本書で書かれている生死の争いは

病原体と人間なのですが

どちらも“種の存続“をかけて

いろんな“策略“が練られている

ようです。

そのことを理解して

私たち人間の種がいかに生き延びて

いくかを考える機会になったので

紹介します。

病気の流行はどのように起こるのでしょうか?

病気を引き起こす「病原菌」は

どのように私たち人間の生活に迫ってくる

のでしょうか?

動物からの死の贈り物

家畜や農作物の病原菌が

人間に感染して病気が広まっていく

ということがあるのは

なんとなく理解できます。

人間は他の動物と接触することが

多い生き物だからです。

動物からうつされた感染症の中には

天然痘、インフルエンザ、結核、

マラリア、ペスト、麻疹、コレラなどの

非常に深刻な症状を引き起こす

ものがあります。

近代人の主要な死因に

数えられるこれらの感染症は

もともと動物がかかる病気だったのに

今では

人間だけがかかる

病気になってしまいました。

なぜ、微生物が人間を病気にするのか?

このように歴史上長きにわたって

動物から人間に

感染するようになった病気の影響を

受けていましたが

ほとんどの微生物は無害なのに

なぜ、ある種の微生物は

われわれ人間を「病気にする」よう

進化したのでしょう。

進化の産物としての病原菌

病気に対して人間の立場から

考えれば

病原菌が

なぜ私たちを病気にするのか

いちいち気にせず、

悪い奴らはとっととやっつければいい

のですが

それがなかなかうまくいきません。

そこでまずは“敵を知る“ことが

大切になります。

基本的に病原菌私たちと同じで

生存競争に負ければ滅びてしまう

自然淘汰の産物の生き物です。

生物は進化の過程において

自分の子孫を適性な生存環境に

ばらまき

それによって生き残ろうとします。

病原菌にとって

自分の子孫をどのぐらい多くの人に

バラまくことができるかによって

生存率を上げることができるのです。

病原菌は感染者数と罹患者の生存期間が

いかに多いか、また

いかに効率の良い伝播をするかを

目論んでいます。

それに人間が使われているのです。

人間は農耕などで集団を作り

いろんなところに出かけていき

その地域の人たちにも

ばらまいてくれるため

人間にさえうまく“乗る“ことができれば

次々と伝播していけると考えて

いるのです。

人間に“乗せる“のには

あまり火の通って無い豚肉を

食べてもらったり

生の魚を食べたり、

感染したものを食べてもらったり

あるいは、感染個体から昆虫を

経由にて人に感染されたりて

潜伏していきます。

宿主を操縦、変化させる

人間に密やかに“乗り込む“だけではなく

その宿主を操縦し始めます。

それが病気の症状で

病原菌はより伝播しやすくするために

咳やくしゃみをさせたり

下痢をさせたり、発疹を出したりと

できるだけ、

多くの人間に絡めるようにするための

行動をとらせようとします。

「狂犬病」などは精神を凶暴にさせて

噛み付かせて伝播しようとさえ

します。

このような状態ならたとえ宿主が

死んでしまっても

大量に伝播していけると

病原菌は考えて人間という

動物を選んでいるのです。

人間も負けてはいられない!

人間も黙ってやられるわけにはいきません。

種の生存がかかっているのです。

集団で行動し、移動が激しい人間も

病原菌に使われているばかりでは

いられません。

では、病原菌をやっつけるには

どうしたらいいのでしょう。

例えば、人の体は病気になると

発熱します。

それは病原菌は人間よりも

熱に弱いので体温を上げることで

病原菌を焼き殺そうとしている

反応なのです。

体温を必要に応じて

上げたり下げたりできるのは

都合がいいことなのです。

免疫システムを動員する

この“免疫“は人間同士の生存競争や

侵略にも関わってきた重要なことで

いったん感染症にかかって人が

同じ病気にかかりにくいのは

この“免疫“のおかげなのです。

病原菌の種類によって

「抗体」を作ることによって

病原菌の侵入を防ぎます。

ワクチン接種などがこれにあたり

弱い、もしくは死んでいる病原菌を

無理やり注射して

その病原菌の抗体を作ります。

しかし、

麻疹やおたふく風邪、風疹など

一度罹ればほぼ一生その病原菌の

侵入を許さないものもあれば

インフルエンザのように

毎年かかってしまうものも

あります。

病原菌も抵抗する

このように免疫防御で防げない

病原菌は人間の抗体が認識する抗原と

呼ばれているところを

変化させて

人間に免疫システムを騙し

侵入してきます。

人間も負けじと応戦しますが‘

これらを素早く変化させるものには

(例えばエイズウィルス)

体内での増殖を許してしまい

免疫システムが無効になり

やがては死に追いやられることも

あるのです。

病原菌の増殖が食い止められなければ

種として人間は病原菌に“自然淘汰“

されてしまうのです。

銃と病原菌と鉄
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