①人の心に触れたり、触れさせたりする学問『ここは今から倫理です』ひずき優著

ここは今から倫理ですここは今から倫理です
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社会の選択科目に「倫理」という科目がある。

大学受験の場合、一概には言えないが

理系なら社会の選択科目に

「地理」を選択する場合が多い。

二次試験に社会を要する大学が

理系では少なく

歴史に比べると暗記するのに

量的質的に地理の方が負担が少ない

ためかと思いますが

そこを「倫理」を選択する人も

少なからずいます。

覚える範囲はそれほど多くはないのは

「地理」と同じなのですが

「倫理」だけでは受けられる大学が

狭まり、受けれる範囲を広げたければ

「政治経済」も一緒に学ばなければ

ならずこれは負担が

大きくなってしまいます。

ゆえに、学生生活で学ぶ機会が

少なくなりがちの「倫理」と言う

学問は一体どうゆうものかという

疑問が湧いてきます。

ただ、受験に必要というだけではなく

“学問“として人にどのように

役に立つものなのでしょうか?

それを鮮烈に描いた本書は

漫画やテレビ化されさらに

ノベライズされたものです。

倫理とは人の心に触れる学問

役にはたたない学問?

主人公の高校倫理の教師、高柳は淡々と

倫理の初めの授業で

「倫理」を“好きこのんで“選択したと

思えない生徒たちに語ります。

「倫理は、学ばなくても将来は

ほぼ困ることのない学問です」

教壇に両手をつき、淡々と語ります。

「ここは今から倫理です」ひずき優著

地理や歴史のように生活の中で

出てくることも少なく

数学のような汎用性も

英語のような実用性もない。

この授業で得た知識が役に立つ

仕事はほぼないと生徒に言い放ちます。

死が近づいた時に役立つ学問

高柳は生徒にいいます。

「この知識がよく役に立つ場面が

あるとすれば

死が近づいた時とか」

「ここは今から倫理です」ひずき優著

こんなことを10代の一番“死“に遠い存在の

者たちに言っても「………」なのです。

ここでもう一歩詳しく具体的に

「倫理」について説明していきます

知らなくてもいいけど知った方かいいこと

高柳はピンと来ない生徒に

真剣に話します。

「倫理」は

一人ぼっちの時

信じられるものがなくなった時

死が目前に迫った時に

救いを求めたくなるものについて

“宗教とは何か?“

悩み、苦しい、憂鬱…

私はなんのためて生きているのか…

“幸せとは何か?“

「男とは」「女とは」こうでなければ

ダメなんて誰が決めた?

“ジェンダーについて“

「死んでしまいたい」と思う時

“いのちとは何か?“

このわかりそうでわからないことを

考えるヒントになる学問が「倫理」だと

説明しています。

あなたに心にふれて慰める

性に奔放な高校生の女子生徒は

ある日、

合意のない性交渉をさせられそうに

なります。

そこへ駆けつけた高柳は

その関係を迫った男子生徒に

殴られます。

しかし、その男子生徒の腕を掴んで

一歩も引き下がりません。

その様子に男子生徒はその場から

逃げ出すのですが

その時、高柳は伏せ目がちにいうのです。

「倫理の教科書を投げてしまいました。

 とても悪いことをした気分です。

 でも…あなたが、倫理の授業を選んで

 くれてよかった」

「なんで?」

「倫理は人のこころにふれてもらう授業です。

 あなたの頭をなでて慰めることは

 セクハラになってしまいますが…

あなたの言葉を聞き

 あなたの心にふれて慰めることは

 できる…

「ここは今から倫理です」ひずき優

もうスキンシップなど簡単にできない

時代なのです。

言葉でさもなくば沈黙で

生徒たちを癒さないといけない

のです。

この時代だからこそ

「倫理」は大切な学問と言えるでしょう。

“人のこころに触れる“こと

また

“人にこころを触れさせる“ことの

できる人間に育ち学問であり

これがなければ、どの学問も作動せず

無意味なものとなるのでしょう。

まとめます

「倫理」という学問は確かに

汎用性や実用性に欠けるし

日常にいちいち哲学者の名前や

名言などが出てくるわけでも

ないのですが

この「心に触れる」触れ方を学ぶことは

いろんなことの根源だと思います。

高校生ぐらいの時に

このような先生に出会い

哲学を学ぶのも意味深いのでは

ないでしょうか

ここは今から倫理です
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