【哲学】④フィロソフィー 知を愛する philo=愛  sophia=知る『ここは今から倫理です』ひずき優著

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「徳を積む」とよく言われますが

この“徳“とは何でしょう。

徳の研究ー人間の善の部分の研究と

本書では生徒に説明する形で

倫理教師の高柳は語っています。

これについて

ソクラテスは「知を愛する」という意味で

『フィロソフィア』と呼んでいます。

『フィロソファー』は『哲学』の語源に

なったと言われることから

ソクラテスの言葉を用いて

よく生きるにはどう知ればいいか

生徒を諭していきます。

無知の知

無知なのに

“知“とはどうゆうことでしょう。

これはソクラテスという哲学者の

言葉ですが本書の授業で引用されて

います。

これは人間の人間としての優秀性

『アレテー』というもので

その善さ、「徳」を示すもので

ソクラテスのいう

人間の“優秀さ“というものです。

我々はみな、その人間の“徳“について

『アレテー』について何も知らない…

何も考えていません。

まずはその無知を自覚すること。

それがソクラテスの“無知の知“。

「ここは今から倫理です」ひずき優著

知らないことは悪いことではないのです。

知らないのに知ったふりをする…

知らないことを知ろうともせず

平気で知ったつもりで暮らすことが

悪だということを高柳は生徒たちに

教えています。

知ることを愛する

社会に出てから最もこのことについて

考えることが多いのではないでしょうか。

「知らない」ことを「知らない」と

認めるのは意外と難しいものです。

よく知らない、知ろうともしていない

ことをあたかも「知っている」ように

振る舞った結果、

引っ込みがつかなくなり

理論が破綻していくことが

よくあります。

これを「知らない」と自覚に

教えを乞うことこそ知的であると

誰もが知っていればこのような

ことは起こりにくいのでしょう。

「倫理」の授業ではこのことを

生徒たちに教える高柳は

この授業を踏まえて

親や教師に頑なに自分のことを

打ち明けようとしない生徒の心に

触れていきます。

知りたいと思うことは悪ですか

高柳は穏やかに声をかけます。

「本田さん、すいません…

 みんなあなたを泣かしたいわけじゃ

 ないんです。

 私たちはあなたについて、

 本当に無知なのです。

 あなたについて知りたいと思うこと、

 これは悪ですか?」

「ここは今から倫理です」ひずき優著

こういう使い方もできるのだと

感心してしまった場面です。

「倫理」の授業を真面目に受けている

生徒ならリンクして理解できる

仕組みになっています。

そして、高柳にだけはそっと

カバンの中身の小さな白うさぎの

人形を紹介します。

そして、この人形に魂を与えている

この生徒に

『アレテー』を手に入れていると

称賛します。

人を傷つける代わりにこの人形に

思いをぶつけ魂を汚さずに

乗り越えてきたことを…

まとめます

高柳のこの生徒について「知らない」ことを

認めて「知りたい」と思う気持ちが

“善“であり“徳“であり

この生徒が自分が傷ついても

悲しんでいても

人を傷つけることをしなかったことが

“善“であり“徳“であり

『アレテー』だったのでしょう。

「よく生きる」というのは

知ることと

自分の魂をより良いものにすることと

生徒たちを導きます。

ここは今から倫理です
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