なぜ、テロが起きるのか『知らないと恥をかく世界の大問題』池上彰著

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アフガニスタンのイスラム主義組織

「タリバン」は首都カブールで首都制圧後

初めてとなる記者会見を開き

敵対しているアメリカに報復しないと

発表したり

女性の権利に対してこれからは

配慮するなどの融和な姿勢を見せて

アフガニスタンにおける

「タリバン」政権の承認を世界に求めているが

国民たちは「恩赦」を与えるという

「タリバン」政権に対して

不快感と不安を抱いていると

報道されています。

それにはイスラムの厳格な教えの

ためだと

考えられます。

この教えを知るとテロがなぜ起こすのかも

理解できます。

本書ではわかりやすくそのことに

ふれているので紹介します。

なぜテロは起きるのか?

これらの世界を考えるとき

「宗教」を重要視して考えなくては

ならないと著者は言っています。

世界の宗教人口を見ると

一番多いのはやはりキリスト教、

次にイスラム教、ヒンズー教、仏教の

順になっています。

日本に住んでいると仏教が世界で多数

信仰されているように思いますが

かなりたの宗教より少ないようです。

その中で今回はイスラム教について

知らなくてはならないようです。

かつてイスラム世界は

非常に発展を遂げていた時代が

あったようですが

長らくその発展は停滞してしまって

いました。

ところが「原油」が見つかり

資源国として世界からお金が流れこむ

ようになると

経済的に強い影響力を持つようになり

世界へイスラム教が広がっていきました。

イスラム教の簡単なおさらい

イスラム教は

今から1400年前のアラビア島で

始まった宗教です。

ムハンマドが

「神の声を聞いた」ところから

その内容を広めることから

始まっていきました。

当時は読み書きができる人が

ほとんどいなかったので

ムハンマドが伝える内容を信者が

丸暗記し

ムハンマドの死後、

その丸暗記したものを「神の言葉」として

本に記したものが

『コーラン」=声に出して読むべきもの

でした。

厳格なイスラム教徒「ワッハーブ派」

イスラエルは「スンニ派」と「シーア派」に

わけられます。

「スンニ派」のなかの「ワッハーブ派」は

極めて厳格な教えを事実上の国教としているのが

サウジアラビアなのです。

ワッハーブ派はイスラム教徒の経典

『コーラン』を一字一句信じ

現世では

ひたすら神のことを思うべきであり

“神を忘れがちになる“という理由から

飲酒、音楽、踊り、映画などの娯楽を

禁止して

「楽しいことは天国へ行ってから」と

考えています。

楽しいことは死後の世界で

味わうことができると言っているのです。

これが自爆テロの思想なのかも

しれません。

男女分離は徹底していて

女性は家族以外の男性に

姿を見せてはいけないことになっていて

外出する時は

全身を隠す黒いマント「アバー」を着て

顔にはベール「ニカブ」で覆わなくては

いけません。

女性は家にいるものとして

運転免許をとることさえ許されて

いませんでした。

これに女性が反発して

1990年のは

47人のサウジアラビアの女性たちが

15台の自動車に分乗してデモを起こし

直ちに逮捕されてしまいました。

また、サウジアラビアでは

毎週金曜日の集団礼拝の後

街の中心部の広場で

公開処刑が行われます。

その中には四肢の切断などの

残酷なものもありました。

アメリカに敵対する「タリバン」

スンニ派の中でも厳格な

イスラム教徒である「ワッハーブ派」の教えは

アフガニスタンの「タリバン」の特異な

宗教行動が思い浮かびます。

彼らの中にはアメリカを

「イスラムの敵」と考える人も多く

現在のサウジアラビアの政権が親米に

あるだけで

「イスラムの裏切り者」と考える人も多く

2001年の9月に

同時多発テロとされている

オサマ・ビンラディンもサウジアラビアが

生み出した人物であります。

原油国で豊富な資金を持サウジアラビア王国の

メンバーの中には

イスラム原理主義者に資金を援助する者も

います。

そのことにより

「タリバン」が結果的に増えることに

なります。

タリバン政権を最初に承認したのが

パキスタンとサウジアラビアだったのです。

「ジハード」の意味すること

イスラム教徒は小さい時から

ひたすら声に出して読んで

暗唱した『コーラン』に「ジハード」と

いう言葉が出てきます。

ジハードは日本では「聖戦」と訳されますが

それはもともと「努力する」という

意味です。

イスラム教を信じ、神に帰依するために

努力するということです。

しかし、イスラム教徒の土地に

異教徒が攻め込んできて

土地を奪われるとイスラムの教えを

信仰したり広めたりすることが

できなくなるため

攻撃してきた異教徒と戦うことも

「ジハード」と言っています。

『コーラン』には

「ジハードで亡くなった者はアラーの元で

 暮らしている」という意味のことが

書いてあるそうです。

そこで

「自分たちを攻撃してきた異教徒と戦って

死ねば天国に行ける」という

発想を持った人たちが存在するため

自爆テロは後を経ちません。

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