般若心経とは限らない? 宗派で違うお経『浄土真宗はなぜ日本ではいちばん多いのか』島田裕巳著

浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか
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お盆が近づくと普段は気にしていない

自分の宗派(信仰している宗教)が

気になるのは私だけでしょうか。

最近では、宗派を気にするのは

葬式の時くらいと言われていますが

その疑問にふさわしい

「宗派による葬儀の違い」について

本書では語られているので

紹介します。

宗派の違いによる葬儀の違い

一般の人が宗派を気にするのは

葬儀を出す時が多く

実家と同じ宗旨を選ぶことが多いでしょう。

しかし、

家の宗派に馴染みのある人は

“葬儀の違い“など意識しないのでしょうが

そうでない人にとって

お葬式限定で宗派を考えるなら

どの宗派でもいいでしょうし

「違いがあるの?」と聞かれると

答えに困る人が多いのではないでしょうか。

バックミュージック「お経」の違い

葬儀で僧侶が「ナムナム」「むにゃむにゃ」と

言っているのは、

イメージであると思いますが

この「お経」は全ての仏教宗派において

共通に読まれる経典はないと

本書では書かれています。

ポピュラーなもので言えば

『般若心経』ですが

これは、

浄土宗、浄土真宗、日蓮宗では基本的に

読まれません。

『無量寿経』という仏説を

最初の部分や真ん中の部分を読んだり

しているようです。

『般若心経』を読んでいる

臨済宗や曹洞宗などもそれを

要約したり、カジュアルにしたりして

読んでいるようです。

これらとは別に

各宗派の宗祖が記した文が読まれる

こともあります。

曹洞宗では道元の『正方眼蔵』から

抜粋した「修証義」、

のちに曹洞宗を広めることに活躍した

螢山紹瑾(仏教=葬式の基盤を作った人)の

影響を受けた大智の

「大智禅師発願文」が読まれることも

あります。

浄土宗では法然が亡くなる二日前に記した

「一枚起請文」が読まれたり

浄土真宗では親鸞の『教行信証』の中の

「正信偈」や蓮如の「白骨の御文」、

臨済宗では、白隠の

「白隠禅師坐禅和讃」が読まれている

ようです。

葬儀における「お経」は

焼香のためのバック・ミュージックかの

ようなイメージで

実際、参列者の数によって

長さが違うようです。

ただ、興味を持って聞くと

その宗派の教えや性格が

示されている「お経」も

聞き流せない“深み“があるようです。

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