【報告書】現地調査と仮説 緩やかな「演繹法」『伝える力』池上彰著

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ビジネスにおいて良い報告書や企画書、

提案書を書くには

効率が良くて、正確な調査が必要に

なります。

しかし、

効率を上げるための

“結果ありき“な報告書では

正確な調査が担保されなかったり

実際に一から調査を綿密に行うと

期限に間に合わなかったりと

なかなか難しいです。

本書では、そんなとき

どのようにすれば良い報告書や提案書が

できるのかを解説しているので

紹介します。

ビジネス文書を書く

報告書などをまとめる場合、

どのようにまとめるかを決めるときには

「演繹法」で書くか「帰納法」で書くかを

考えるのが一般的だと

本書では書かれていますが

この「演繹(えんえき)法」や「帰納法」とは

聞いたことはありますが

実際、文書を書くのには

どのように用いるのでしょう。

演繹(えんえき)法とは推理すること

ある事柄を前提にして

具体的な一つの結論を出す

推論方法のことだそうです。

本書ではわかりやすくするため

例を挙げています。

「バラには棘がある」という前提が

あるとして、

“ハマナス“はバラ科なので

“ハマナス“にも棘があるでしょう。

と推論して、結果を導き出すのが

「演繹法」です。

先に結論ありきなのです。

1000本のバラを全て調査する帰納法

演繹法に対して帰納法は

個別具体的な事例から、

一般的な規則を導き出す方法で

例としては

観察した1000本のバラ全てに

棘があったとしたら

そこで、「バラには棘がある」という

結論を出すのが

「帰納法」なのです。

いろいろと情報を集めて結論を構築

する方法です。

ジャーナリズムでは帰納法が理想

報告書や提案書をまとめる場合、

どちらかが良いかといえば

下調べを十分に行なった上で

実際に調べ尽くし、

結論を出すことで

スクープや充実した記事を書けることから

「帰納法」が理想です。

特に新聞や雑誌・放送などリアリティを

重んじる報道などは

尚更と言えるでしょう。

学者が現地調査をするといった場合も

「帰納法」です。

しかし、

「帰納法」は理想ではありますが

実際は多くのビジネスパーソンには

そこまでの時間がありません。

現実は、膨大な取材でとてつもない

時間がかかりますから

少なくても「帰納法」だけで

報告書をまとめるのは

難しいのです。

緩やかな演繹法のススメ

著者が勧める「緩やかな演繹法」とは

どんなものでしょう。

基本は

「演繹法」で間違いはないいのですが

状況に応じて「帰納法」を導入するのです。

まず、下調べして“仮説“を立てます。

「きっと◯△ではないか」とか

「▽◇というストーリーがあるのではないか」

など。

その上で現地調査をし

その通りであれば、

仮説が立証されたことになり

仮設通りで報告書もスムーズに

かけるということになります。

しかし、

実際に調査しているわけですから

下調べと違う結果の場合も

当然、出てくることがあります。

著者はむしろ何かしらの発見をしたいが

ために現地に行くのだから

何も気が付かないのでは

実際に調査を行った意味がないと

言っています。

ここで演繹法を緩めると言うことです。

“仮説“にがんじがらめでは

特にジャーナリズムの世界でいえば

「初めに結果ありき」では

いけないからです。

テレビ番組の捏造事件

仮説に基づいてすでに“シナリオ“が

出来上がっているので

実際、

取材にてその仮説と違っていても

期限が迫っていると

事実に目を背け、仮説通りやろうかと

いう誘惑に駆られてしまうと

それは“捏造“としてバッシングされる

危険がある報告となってしまいます。

ビジネスマンであっても

市場調査の結果と仮説と大幅に

違っていても

実際、見聞きした報告書通り

まとめほどの時間がない場合

そのまま、まとめていた

仮説の方を少しのアレンジでいこうとする

“悪魔のささやき“があっても

おかしくありません。

下調べ(帰納法)は無駄なのか

著者はだからといって

下調べや仮説が無駄だとは

言っていません。

下調べや仮説がないと

何もない白紙の状態から調査して

ゼロからの積み上げることになるので

大変な手間と時間がかかります。

しかし、仮説を立てて現場に挑めば

例え、

仮説とは状況が大きく変わっても

効率はずっと良いはずだと

言っています。

そもそも、仮説とは違う何かがあると

思って現地に行っているのだから

仮説を立てる時も

そのことを加味して仮説との

違いをどう修正するかをあらかじめ

考えておくと効率もよく

正確な報告書が書けることに

なるのです。

「演繹法」を使用しながら「帰納法」で

正確な調査で修正していくのが

良いビジネス文書と言えるのでしょう。

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