愛想のよさは生まれつきなのか?『GIVE &TAKE』アダム・グラント著

GIVE &TAKE
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成功するためには

人に惜しみなく“与える“ことの

できる「ギバー」であるのですが

それを阻む「テイカー」という

人から与えてもらうことを

正しいとする人がいます。

これら「テイカー」を排除することが

「ギバー」の成功の鍵なのですが

どのように

見極めいけばいいのでしょうか?

なぜ、それが難しのでしょうか?

「愛想のよさ」ほど当てにならないことはない

本書では他人に与えることを

苦にせず、献身的に尽くす人を

「ギバー」と呼んでいますが

その逆で

常に人から与えてもらうには

どうすればいいか策略を張り巡らせる

「テイカー」という人と

カテゴリー分けしています。

テイカーに搾取されるギバー

こうなると当然「ギバー」は「テイカー」に

搾取されてしまうよい“カモ🦆“と

いうことになります。

「テイカー」に捕まった「ギバー」は

たまったものではありません。

「ギバー」が部下で

「テイカー」が上司なら

業績は奪われ、給金は上がらず

「ギバー」が抵抗しても

飴と鞭作戦で搾取され続けます。

本書で事例として出てくる

ピーター・オゼットという「ギバー」も

「あれほど一生懸命働いたのに

 あんな惨めな目に遭わされて

 すっかり自信がなくなったし

 怒りで気が狂いそうでした。

 ギバーがテイカーと仕事をする

 ことになったら、

 生き延びるのは不可能です」とまで

言っています。

もう二度と誰かのために働かないぞ

まで豪語しています。

しかし、「ギバー」は最終的には

成功を収めるパターンが多いのですが

自己犠牲の末、全てを搾取されて

終わってしまう人もいるのです。

誰でも善人と信じる「ギバー」

このように避けるしかないようですが

なぜ、テイカーだと見抜けないのでしょうか?

これが「ギバー」が踏みつけにされる

理由の一つであるようですが

「ギバー」は人は誰でも善人だと思う

傾向にあるので、

他人はみんな信用できるという

誤った思い込みで

行動してしまうのです。

犯罪の被害者も「ギバー」が多いようです。

嘘に引っかかったり、

食い物にされたりするのを避ける

ためには

本物のギバーとテイカーや詐欺師を

見分けなくてはなりません。

でないと成功する「ギバー」に

なれないのです。

では、こんな良心的な「ギバー」が

「テイカー」を

どうすれば見抜けるのでしょうか?

「愛想のよさ」は遺伝?

人の咄嗟の判断の多くは

驚くほど正確なのに本当の

「ギバー」や「テイカー」を見分けるのは

かなり苦戦を強いられると

著者は書いています。

多くの場合、私たちは

“人柄“を示すもので

判断してしまうのですが

こうした

手がかりが当てにならないようです。

五十年に及ぶリサーチで

心理学者は、他者との接し方でわかる

人格の特徴である「愛想のよさ」が

「ギバー」が「テイカー」を見抜けない

原因となっていると言っています。

「愛想のよい人」は

えてして協力的で礼儀正しく

見られる傾向にあり

人との調和を求め、感じよく、

友好的なイメージを与え

「愛想の悪い人」はその逆の

印象を持たれます。

しかし、最近の調査では

こうした「愛想のよさ」は

遺伝的要素に大いに影響を受けて

いることがわかっています。

ある研究者が

「愛想が良い」とされている人と

「愛想が悪い」とされている人の

脳のMRIをスキャンし

「愛想のよい」被験者は

他者の思考、感情、動機を処理する

「後帯状皮質」などが

大きめだったようです。

行動遺伝学者によれば

愛想のよさの少なくても

三分の一、もしくは

半分以上は遺伝によるものだと

言っています。

「愛想のよさ」は生まれつきの

資質もあるのです。

愛想が悪い人がテイカーという固定観念

私たちには、愛想がいい人が「ギバー」で

愛想が悪い人が「テイカー」のいう

固定観念あります。

やさしく声をかけてくれるような

人はつい善人だと思い込んでしまいます。

相手の表面的な態度にばかり

注意を払いすぎると

その内側にある肝心なものを

見落としてしまいがちになります。

どのくらい与え、

どのくらい受けとるかは

動機や価値観で決まるものであって

その人の性格とは無関係なのです。

こうやって一見、愛想がよく

「ギバー」のように見せかけた

「テイカー」がいるのです。

これらの“タチの悪い“「テイカー」は

「愛想が良い」という印象を与えるが

与えるより遥かに多くを手に入れようと

するのです。

逆に愛想の悪い「ギバー」がいるので

ほんとに表面的なことでは

わからないのです。

ギバーはテイカーを見つけやすい?

表面的なことに惑わせれず

見抜く力は他の人より

「ギバー」の方がその能力が

発揮できるはずだと本書では

示しています。

なぜなら「ギバー」の方が

人の振る舞いや考え、気持ちに

敏感だからです。

なので、テイカーの手がかりが

見つけやすいのです。

それに「テイカー」の愛想のよさの

“白黒つけがたい“部分にも

気づくようになってくるそうです。

そうして、寛大な心を持つ

一見「お人好し」のような「ギバー」も

誰が「テイカー」だと注意を払うことが

できるようになってきます。

「成功ギバー」は戦略をもち生き残る

「テイカー」の振る舞いに気づくように

なった「ギバー」は

このようなことを言ってきたら

「テイカー」だと見極める、

「テイカー」に対して

“断る理由リスト“を作っておいて

活用したり

与えながらも効率的に時間を

使っていくという“戦略的“ギバーと

なっていくことが

「テイカー」に用心し

遠ざけることになるのです。

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