豊かな狩猟採集民ライフ『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ著

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過去200年、私たちはこれまで

どの世代も享受できなかったほどの

豊富な物理的資源と長寿を

私たちにもたらしましたが

その中、

しばしば私たちに疎外感や憂鬱な

気分を抱かせたり

プレッシャーを感じたりすることが

あります。

著者はこの「狩猟採集民族」の時代が

今よりも豊かであったのではないかと

指摘しています。

その理由を説明するために

「狩猟採集民族」の世界が

どのようなものであったか

紹介しています。

狩猟民族の豊かな暮らし

人類の狩猟採集社会がはじまったのは

およそ、7万年前。

そして、農耕生活がはじまったのが

約1万2000年前。

そして、

現在のような

都市労働者やオフィスワーカー

などが生活の糧となったのが

200年前から。

私たちの性質や歴史、

心理を理解するためには

人類のほぼ全歴史を通じて

一番長かった

「狩猟採集民族」だった頃の

様子が

今の私たちの形作りや潜在意識に

影響を与えているということは

納得がいきます。

では、現在の私たちの生活と比べて

どう豊かになったのでしょう。

就業時間が短い

今日、豊かな社会の人は、

毎週平均して40〜45時間働き

発展途上国の人は毎週60時間、

あるいは80時間も働くのに対して

カラハリ砂漠のような苛酷な

環境で暮らしている

狩猟採集民でも平均すると

週に34〜45時間しか働いてないと

本書では書かれています。

もっと環境がいいところなら

されに時短だったようです。

家事をする必要がない

狩猟採取民は家事の負担が軽かった

ようです。

食器を洗ったり、

カーペットに掃除機をかけたり

床を磨いたり、オムツを交換したり

勘定を払ったりする必要がない

からです。

これらは「定住」するとしなければ

ならない家事ですが

狩猟民族は獲物を求めて

移動しなければならないので

家事にさく時間は少なくてすみます。

1日の流れがゆっくり

例えば、今日の中国では

工員が朝7時ごろから家を出て

空気が決して良くない通勤路を通り

資金が安くても来る日も来る日も

同じ機械を同じ手順で動かす

退屈極まりない仕事を

延々と10時間もこなし

家に帰ると食器を粗い、洗濯をする

そして、遡って

狩猟採取民だった頃の中国では

朝8時に野営地を離れたら

近くの森や草原で

きのこを摘み、食べ物になる根を

掘り出し、カエルを捕まえたり

虎から逃げたりしながら

午後早くには野営地に帰って

昼食を作るって食べるという

のどかな生活です。

噂話をしたり物語を語ったり

子供たちと遊ぶ暇もありますし

ぶらぶら時間もたっぷりあります。

交通事故や産業公害の代わりに

虎に襲われたり、蛇に噛まれたりは

あります。

栄養豊かな食料

化石を調べると

古代の狩猟採取民は子孫の農耕民

よりも

飢えたり栄養不良になったり

することが少なかかったようです。

平均寿命が短かった(30〜40歳)なのは

子供の死亡率が高かったからです。

危険に満ちた最初の数年を乗り切れば

長寿の可能性が大いにあり

人口の5〜8%は60歳を超えています。

これは、今日のほうか

“長寿”のようですが

医療の発達は現代にはあり

命だけは長らえることができる

ようになりました。

狩猟民族では“寝たきり“などは

ないので

(仲間においていかれてしまうので)

本当に健康な状態で長寿であったと

言えるでしょう。

これには、食事が大きなウエイトを

しめています。

農耕では小麦、ジャガイモ、稲などが

代表的な食べ物ですが

それだと一部のミネラル・ビタミンが

不足するのだと指摘しています。

狩猟採取民は移動しながら

食料を確保していくので

いろんなものを食料にします。

例えば、朝食にベリーを食べたり

きのこ、果物、カタツムリ、かめ

うさぎ、野生の玉ねぎなど

多様性のおかげでいろんなものを

口にすることができます。

そのため、古代の狩猟民族は

必要な栄養素を確実に摂取する

ことができたのです。

今日、古代の食事が見直されつつ

あるのも

このような古代の狩猟採取生活が

あったことにようものでしょう。

飢饉に強い

一見、農耕民の方が定住し

食料を蓄えることができるように

思いますが

ここもやはり多様性食生活が

有効のようです。

農耕民は取った作物や植えた作物が

旱魃や火災、地震などによって

台無しになったりするたびに

飢えと戦わなくてはなりません。

それは、

単一の食べ物に頼った

食生活だったからです。

狩猟採取民は

特定の食料が手に入らなくても

あまり困りません。

とはいえ、

自然災害には苦しめられるのは

同じでしたが

主な食料の一部が手に入らなくても

他のものを採取して食べることが

できし

災害の影響が及んでいないところへ

移動して暮らすこともできました。

感染症が少ない

古代の狩猟採取民は

感染の被害の少なかったようです。

天然痘や結核などで

農耕民や工業社会の人たちを

苦しめてきた感染症の

ほとんどが家畜から伝播し

農業革命以後になって初めて

人類にも感染し始めました。

犬にか飼ってなかった狩猟民族では

こうした疫病を免れることが

できたのです。

人口が密集した永続的定住地では

不潔にもなりやすく

病気が蔓延するにいはうってつけの

環境だったのが

農耕民以降の時代なのです。

小さな集団で動き回っているので

感染症が蔓延しようがないのです。

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