劣等感は悪いものなのか『人生の手引き書』渡部昇一著

人生の手引き書人生の手引き書
スポンサーリンク

 健全な劣等感とは

「他者」との比較ではなく

「理想の自分」との比較から

 生まれるものだ。

と精神科医のアルフレット・アドラー

は言っています。

“劣等感“とは悪いイメージだったのですが

アドラー同様に本書でも

“劣等感“は

向き合い方で意味が違ってくると

記しています。

どのような“劣等感“は不健全なので

しょうか。

健全な「劣等感」とは

アドラーも言っているように

“健全“な劣等感は内なる自分に

向き合うことをしなければ

劣等感を良い方向に

利用することはできない。

子供の頃や青年期に抱く劣等感

心理学者に言わせると

子供が大人に対してコンプレックスを

持っているのは

早く大人になりたいという

向上心から生まれていて

それが、子供の成長に役立つと

しています。

このように子供がもつような

“向上心“と強く結びついた

「劣等感」は

非常に健全なもので

むしろあるに越した事がない

感情と言えるようです。

戦後を支えた劣等感

日本がここまで近代化し成長できたのも

かつての先進国に対して

健全な劣等感を抱く事が

できたからだと著者は

本書で言っています。

成長の起爆剤の劣等感

健全な劣等感は成長の起爆剤の

ようなものを指すようですが

だからといって

“健全“ “不健全“と分けられるもの

ではない。

それは時に劣等感に呑み込まれて

精神が沈んでしまう事が

あるからです。

ゆえに“健全“ “不健全“は

その人の精神的な態度いかんに

よるという事です。

例えば、子供などでは

精神的にまだ弱いところがあり

そういう段階で劣等感を抱くと

落ち込んで状態が悪くなることが

あります。

自分の中で劣等感を増幅させて

病的なまでの劣等感に

陥ってしまうからだという。

そんな時に

劣等感がある事が自覚でき

それがどこから来ているか

何が劣っているのか

筋道を見ることができる

精神的態度が必要であり

そのことが

“健全“な劣等感へと

導き、成長へのきっかけと

する事ができるのであるのです。

優秀な人ほど、劣等感をもつ

人は到達することができない

ような人間には劣等感を抱かない。

相撲取りに対して

「体力がないなあ」と劣等感を

抱かない。

「あわや自分も横綱に」という

気持ちがあれば

土俵にも立ってない自分に

「劣っている」と苛立ちを感じる

ことでしょう。

本書に出てきたある人は大学に通っていて

周囲の人がみんな秀才に見え、

劣等感を抱いて、悶々としていた時

「優秀な人ほど、劣等感をもつものです。」

と言われて救われたという

エピソードを書いています。

このように

自分もなれる可能性があり

それを自覚しているからこそ

劣等感を抱くということです。

そういう意味でも成長していく

出発点ということになります。

まとめます

劣等感をすぐに自分の成長として

利用することは難しいでしょう。

中には劣等感が「嫉妬」や「ねたみ」と

言った

ネガティブな感情へ変化される

事があるかもしれません。

そうなると、劣等感は悪いものでしか

なくなってしまいます。

しかし、劣等感を抱くことは

自分を高みへと導く一つの

“起爆剤“とする事ができれば

自分を成長させるきっかけと

なる事でしょう。

人生の手引き書
スポンサーリンク
スポンサーリンク
inuimieをフォローする
スポンサーリンク
ぽつのブログ

コメント