④自然に逆らった食糧確保『漂流教室』楳図かずお著

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人口の増加や食生活の高級化に伴い

食糧確保のため、「遺伝子組み換え」や

「フードテック」のような

食品の改良が行われ

害虫に強い性質や栄養素をあげる効果

除草剤に強い性質、肉の代用の加工品や

本来のものよりカロリーが抑えられた

ものを開発したりと

さまざまなテクノロジーが食糧確保に

使われるようになりました。

そのことによって

それを食べたことによる弊害が

懸念されますがそれは

まだ、未知数のところがあります。

本書は未来の廃墟となった地球に

小学校ごとタイムスリップしてしまった

子供たちのサバイバル生活を

描いたものです。

現在の問題にも関連する

“食料問題“が未来の彼らにも

襲いかかります。

彼らはどのようにやり過ごして

いくのでしょうか。

新種のばけものキノコ

飢餓状態も極度に達した子供達でしたが

学校に残された食料はわずかになって

しまっています。

畑に植えた作物の実りを

期待していましたが

大雨のせいで全て枯れてしまいました。

するとその後から

見るも不気味なキノコが

大量発生します。

見た目からして絶対に口にしては

ならないような姿だったので

処分しようとしますが

それを食料としようとする

グループが現れ

口にしてしまいます。

少し、苦みはありますが

お腹を満たすことがわかると

リーダーの翔が止めるのも聞かず

何人かはそれを大量に食べてしまい

ました。

未来人間が誕生する

やがてキノコを食べて子供たちに

変化が訪れます。

身体は何層にも重なりダボついた皮膚となり

背骨は盛り上がり

“目“のようなものができて

四つん這いで蜘蛛のように歩く

生物となってしまいました。

変わり果てた姿でみんなとは

暮らせない“未来人間“と化した

子供たちは

“未来人間“があつまる場所へと

移動していきました。

そして、姿形だけではなく

人間らしい心も失われていきました。

飢えが人間性を失わせる

キノコは食べなかったものの

飢餓がさらに進むと理性が崩壊していく。

殺し合いの戦争のようになったり

死んだ人間の肉を丸焼きにしたり…

子供なので理性などは元から

持ち合わせている年齢でもないし

飢餓状態で食べることしか

考えられないのです。

正しく、戦時中の体験をこの恵まれた

時代の子供たちも経験するのです。

死体から植物が生えてくる

最後には“理性“を取り戻し

仲直りしもうこの荒廃した今の時代で

生きていく決心をした矢先

死者の埋まっているところから

草の芽が出てきました。

みんなでわけた草の種が死体の

養分を吸って芽をだしたんだ!!

みんなの死は

むだじゃ…むだじゃ

なかったのね!!

今にきっとサバクが、みどりに

つつまれる日がくるわ!!

「漂流教室」楳図かずお著

まとめます

現在においても食糧の確保は問題に

なっていますが

自然の育みに逆らい、

人間の都合で“飢え“を凌げればいいと

いう安易な考えで

遺伝子を操作したり

本物のように加工したもので

量産することは

人類にとって未来の人の安全な

食生活を保証できるのかを

今の自分たちのことだけではなく

考えなくてはならないと

考えさせられる作品でした。

漂流教室
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