③「ペスト」よりも命を奪う“猜疑心“『漂流教室』楳図かずお著

漂流教室漂流教室
スポンサーリンク

病原菌は

目に見えないものであるにも関わらず

目に見えるものよりも

恐怖に導くものであります。

本書では

教室ごと未来にタイムスリップ

してしまった

小学生の“漂流“体験を

書いた物語です。

毎日を恐怖と不安と戦いながら

過ごしている者にとって

感染症の蔓延は日頃押し隠していた

気持ちを露呈させ

さらに治安を悪化させていくのです。

子供たちはどのように

収束させていくのでしょう。

「ペスト」がみんなを襲う

口渇が極度に達した橋本くんは

プールの水を飲もうとして

溺れているところを助けた

翔たちでしたが

彼は「ペスト」という病気に感染して

いました。

彼はとても苦しそうにし

叫びまわっています。

大友(副会長的存在)が彼を

苦痛から逃れさせるために

殺してしまおうと提案しますが

すぐに却下されます。

しかし、病人自体も苦しいですが

その苦痛を和らげてあげらない

友達たちもパニックとなるほど

苦しいかったのです。

そして、食べるものの確保についての

情報を聞きつけ

みんなが橋本くんから離れている間に

彼は苦しみのあまりベットから

這り出し、廊下で嘔吐や下痢をして

倒れてしまいます。

それを親切にも介抱した人たちから

「ペスト」は蔓延していくのです。

翔たちは病院後などで

“ストレプトマイシン“を求めて

探しにいきますが

薬瓶は風化しており使い物に

なりません。

そうこうしている間に

学校では橋本くんが保健室ごと

焼き払われていました。

そして、橋本くんに関わった

翔たちは虐待を受けます。

しかし、翔たちの知らないところで

橋本くんと関わったものは

たくさんいるし、

まだその子供と関わった子たちが

次々とうつしていくのです。

ペストは14世紀に流行した病気で

世界の人口の三分の一が奪われた

恐ろしい病気です。

恐ろしいのは病気自体だけでない

このように伝染していく病気は

お互いが疑心暗鬼にさせ

挙句の果てに

殺し合うようになっていったのです。

ペストなんかどうでもよくなって

しまった!!

こうなれば戦争だ!!

戦争!?

そうか!!ペストを理由に

二つのタイプに

分割してしまったんだっ!!

ペストでなくても、

こう人数が多いと

きっとそのうちこんなことが

起きたにちがいないんだ!!

「漂流教室」楳図かずお著

何かに理由をつけて二分したものが

表面化し、

争いが起こるのです。

本来ならそんなことをしている

場合ではないじゃないのに

解決策が見えないことへの

不安や恐怖がが

戦争へと導いていくのです。

母が薬をミイラの中に入れる

激しい戦い中全てのものが

「ペスト」に感染してしまいます。

ここでまた翔は

「おかあさん!!薬をください」と

叫びます。

その切実な声がお母さんに届きます。

そして、

少しの間母親と交信できました。

翔の母親は人に気が狂れていると

罵りられても

翔とのコンタクトを

諦めていませんでした。

翔の母親は

翔の側に“ミイラ“があるということ、

「ペスト」の薬を欲しがっていることを

理解して

そのミイラの特徴から現代での“死体“を

見つけ出し

そのお腹に“ストレプトマイシン“を

埋め込んで未来の翔が

それを受け取ることができ、

病気は収束します。

翔の母親のガッツは凄まじいものが

あります。

これほどの親子の絆の深さが

時空を超えさせるのでしょう。

まとめます

今回は「ペスト」という

伝染病が蔓延しました。

“伝染病“は人を疑心暗鬼にさせ

本来、病気自体に向き合わなければ

ならないものが

人を偏見したり、虐待したりと

人間の普段閉じ込めている

“残虐さ”が露呈してしまい

分裂し殺し合い戦争となってしまう。

「ペスト」は世にも恐ろしい病気であっても

人の“猜疑心“の増幅、伝播の方が

はるかに人の命を奪っていくのです。

漂流教室
スポンサーリンク
スポンサーリンク
inuimieをフォローする
スポンサーリンク
ぽつのブログ

コメント