【感想】③一人ぼっちの少年時代『クリスマス・キャロル』ディケンズ著

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第一章では主人公スクルージの

仕事の相棒だったマーレイが死後

現れて、

私利私欲だけで生きていては

死後も安らげないことを教えるために

三人の幽霊が現れることを

スクルージに伝える。

第二章では自分の過去を振り返る

ことになる。

ここでは、それほど語調はきつくは

ないけれど妙に納得してしまう

言葉が出てきました。

あらすじ

イギリスの文豪、

チャールズ・ディケンズの作品。

1843年に発表。

冷徹でケチな主人公スクルージが

クリスマスに訪れた三人の幽霊に

過去、現在、未来の自分の知らない

自分を囲む人々の様子を見せつけられて

改心していくお話。(簡単に言えばね😉)

振り払おうとしたのだけれど…

マーレイが言っていた

主人公を改心させるための

第一の幽霊は

スクルージを自身の過去に誘います。

スクルージはその幽霊から逃れようと

“時間が相応しくない“とか

“天気が悪いだ“とか、“風邪気味だ“とか

難癖をつけています。

女の手のようにやさしい握りかたで

あるが、

逆らうことはできなかった。

しかし、色々講じてもこの誘いからは

逃れなれないと言うことは

わかっていたようです。

スクルージ自身この寒くて寂しい

状態から

救われたかったのかもしれません。

過去に遡る芳香

過去に誘われるにあたって

“過去“に遡っていることを

表現している一文があります。

空中にはさまざまの芳香が漂っていた。

その香気の一つ一つから遠い昔の

忘れていたいろいろの考えや希望や

喜びや、苦労が記憶の中に

蘇って来た。

“香り“が昔の記憶を呼び起こす

ことは私にも体験でもあります。

生家の匂いや

昔着ていた服の匂いには

独特のものがあり

それは今の自分とは違う香りなのです。

それを嗅ぎ分けることができるのは

自分自身だけなのです。

この嗅覚に訴えるやり方をされれば

「どこへでも好きなところへ連れて行って

ください」

と従順な気持ちなってしまうのは

仕方がないことでしょう。

そして、スクルージの頬っぺたには

“ニキビ”ができていました。

すっかりノスタルジックな世界へ

誘われてしまいましたね。

過去の寂しい自分を見る

休暇になるとみんな帰省してしまい

寄宿学校で一人家に帰れず

取り残されているスクルージは

ひとりぼっちで本に熱中し

空想するしか孤独を埋められなかった

少年時代の様子を見せられて

自分が痛く惨めに感じたことでしょう。

その時に、

寒さに“噛まれ“ “しゃぶられ“ ていた

あの自分のかど口にきて、

クリスマスの歌を歌おうとしていた

男の子を思い出します。

“あの子達に何かやればよかった“と

思うようになりました。

第一の幽霊は笑いを浮かべながら

スクルージに

次のクリスマスを見せに行きます。

青年期の楽しいクリスマスパーティー

スクルージが奉公していた商会へ

誘いました。

そこでは青年期に

自分たちに親切にしてくれた

フェジウィグ老人夫妻がいました。

クリスマスの夜には自分たちに

仕事をやめさせて

みんなで片付けてを指揮し

楽しいクリスマスパーティーの準備を

させてくれた夫妻。

楽しい青年期のクリスマスを

振り返りながら

自分が雇っている書記のボブを

思い出し自分の態度を

反省するのでした。

「どうもしませんんが

私は今、自分のところの書記に

ほんの一言、言いたいことが

あるんです。」

さらにスクルージは過去に別れた

ベルという若い女性に会います。

彼女は金儲けに走り変わってしまった

スクルージに別れを告げ

別の人と結婚し

幸せに暮らしていました。

娘や旦那と楽しそうししている

光景を見るのはたまらなく

辛かったと思います。

とりわけ、ベルの子供(娘)に対しては

とても貴重なものに思えたような

表現がありました。

本心を白状すれば、たまらなく

あの唇に触れたかったのだ。

その唇をひらかせるために

話しかけてみたかったのだ。

(中略)

あの髪の毛はたとえ1インチでも

かけがえのない貴重な記念品になるのだ。

そのことを素直に“貴重“なことと

思え、それを特別と感じて喜べる

大人になりたかったと

スクルージは言っています。

スクルージはその当時には

そのことに気づけなかったのが

悔やまれてならなくなったのです。

まとめます

この章では

寒さに噛まれながら戸口に立って

歌を歌ってくれようとしていた

子供だちを邪険にしたことを

後悔し

また、自分が奉公していた時の

様子を見るにつれ

自分が今雇っている書記に

ひどく配慮の欠けた行いをしていた

ことにも気づきます。

さらに

昔、別れた女性ベルの今の

幸せな様子を見て

自分がいかに大切なものを

失っていたか気づくのでした。

クリスマスキャロル
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