ウイルスはヒトを全滅させるのか? ウイルスは生きている 中屋敷 均著

ウイルスは生きているウイルスは生きている
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ウイルスの流行はヒトにとって

驚異なのですが

歴史的なウイルスの流行も大勢の

犠牲を払いながら最終的には

ワクチンや特効薬ができる前に

勢力が弱まり、収束していきます。

それがすごく不思議に思い

この本を手にとり読んでみることに

しました。

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著者紹介

中屋敷 均 (なかやしき ひとし)

1964年、福岡県生まれ。

京都大学農学部農林生物学科卒。

神戸大学院農学研究所教授。

専門は植物や糸状菌を材料にした染色体外因子

(ウイルスヤトランスポゾン)の研究。

他著書に「生命のからくり」がある。

ヒトは動物とウイルスのハーフ?

今や恐怖でしかないウイルスの存在ですが

ヒトの誕生に大きく関わっている。

胎盤の形成に重要な役割を果たすウイルス

母親は当然ですが子供を攻撃するなんで

ことは、あり得ないのです。

しかし、

母親の体内に宿った赤ちゃんは

必ずし母親と

同じ血液型でなかったり

顔だって父親の方に似ている

こともある。

それにもかかわらず

そんな赤ちゃんを母親の体は

異物として捉えず

子どもも母親から栄養をもらい

スクスクと育つ。

私たちが自分と違う型の血液を

輸血でもしようものなら

たちまち、拒否反応が起こって

場合によっては、死ぬこともある。

それが母子で起こらないのは

胎盤というフィルターがあるおかげ。

そのフィルターの形成の非常に重要な

役割をしているのが「シンシチン」。

この「シンシチン」がウイルスが持つ

遺伝子に由来していることが

2000年、科学雑誌『ネイチャー』掲載された。

ヒトとして生まれるためには、

ウィルスが必要であるとわかったと

いうことです。

1918年のモンスター「スペイン風邪」

人類が経験した史上最悪のパンデミック。

当時の世界人口が18億人のうち

約3割の6億人が感染。

控えめ数で2000万人、多めで5000万人と

言われるほどの死者が出ました。

アフリカや中国の統計が正確に含まれて

いないので、

実際は1億人に達していたのではないかと

推測されています。

これは、第一次、第二次世界大戦を

含めても、それよりもさらに多い数の

死者を出していることになります。

「スペイン風邪」の病原体はインフルエンザ

普通の風邪と違うのは

関節痛、筋肉痛等を伴った高熱がみられ

時に重篤化するのが特徴で

現在でも日本国内で毎年数百人から

数千人の方々が亡くなられている。

「スペイン風邪」はただのインフルエンザとは違っていた

とにかく、症状が上記のインフルエンザの

ものとはかなり違っていた。

数時間前までピンピンしていた健常者が

突然、発熱して全身に痛みを訴え、

口や鼻から血を流すようになり

次の日にはなくなっているといったことが

起こっていた。

そして、一般的なインフルエンザでは

乳幼児や高齢者が多いのですが

20代から30代の青壮年者が次々と

犠牲になった。

このように、強烈な症状を起こす

「スペイン風邪」の本当の原因の追及は

当時の技術ではできなかった。

「モンスター」の正体が明らかになる

郵便で運ばれてきた「モンスター」

北極圏からわずかに外れた北緯65度20分に

位置するイヌイットを中心とする

アラスカの寒村、プレビック・ミッションで

100世帯150名ほどのうち72名の命が

わずか5日間で「スペイン風邪」の

ウイルスによって奪われた。

その時の犠牲者は永久凍土に葬られた。

「スペイン風邪」のワクチン開発への情熱

この、永久凍土に埋葬された感染者に

目をつけたのはヨハン・フルテェンは

大流行した当時のウイルスの良好なサンプルを

採取するにはどうしたら良いか

考えていた。

彼はプレビック・ミッションを訪れ

永久凍土に冷凍されていた

犠牲者からウイルスのサンプルを採取

することができた。

いよいよと思っていたが

それらから「生きた」ウイルスを

当時の技術では見つけることが

できなかった。

PCR法という技術

今、話題のPCR法ですが

それから46年後の

1997年『サイエンス』に掲載された

わずかな材料から遺伝子を増幅させて

調べることができるPCR法を

目にしたすでに退職していたフルテェンは

検体の保存状態が悪く

研究が難航していた論文の作者の

トーベンバーカーに

連絡を取り

研究で有効なサンプルを永久凍土より

採取できることを告げ

サンプルを自ら採取し届け

あのパンデミックを起こした

インフルエンザの遺伝子情報を解明

していくことができた。

フルティンは

26歳にパンデミックを目の当たりに

してから46年経ってもなお

そのウイルスの真の姿をとらえること

情熱を注いだ。

「モンスター」の正体はH1N1D型という

A型インフルエンザということがわかった。

ホストジャンブとは

この「スペイン風邪」は鳥インフルエンザに

由来しているものと判明し

鳥を介して感染していくもので

そこからウイルスが変異してヒトに

感染していったと考えられた。

大流行したのは、当時の人類にとっては

「新しい敵」だったから…

このようにウイルスが変異して新しい

宿主への病原菌を獲得していくことを

「ホストジャンブ」という

コウモリはなぜ死なない

エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスは

コウモリを宿主にしてヒトに感染しているが

ヒトなら致死率50〜80%の殺人ウイルスなのに

コウモリは病気を起こしていない。

不思議なことです。

オーストラリアのウサギの駆除作戦

1859年にオーストラリアに持ち込まれた

うさぎが増えに増え

はじめの24羽から1920年には

数十億羽にもなったため農作物は

荒らされ深刻な打撃を与えられたため

うさぎを駆除することになる。

ウサギ粘液種ウイルス

主な天敵がおらず増えてしまった

ウサギの駆除に使われたのは

「ウサギ粘液種ウイルス」

ウサギ致死率99 .8%にもなる強毒性の

もので

1950年に大々的に実施。

劇的な効果があり90%がこのウイルスで

駆除された。

致死率99%〜20%にまでダウンする

成果も束の間、

90%以上の致死率を持っていたウイルスが

6年後には20%にまで

なってしまった。

この、強烈な致死率のウイルスに

耐性・抵抗力を持った強運のうさぎが

個体を増やしていったと予測された。

ウイルスの毒性の低下

この6年後(致死率20%ダウンした)の

ウイルスを今まで罹患したことがない

ウサギに与えても

致死率は50%になっている

これは、ウサギが強くなったのではなく

ウイルスが弱まっていたことを

意味します。

なぜ、弱毒化したのか?

ウイルスは生きた宿主の細胞の中でしか

増殖できないので

宿主を全滅させてしまうと

自分たちも存在できなくなるからか?

はじめの方の猛威はウイルスがどのように

振る舞っていいかわからず

加減ができないからか?

これらは、科学的ではないが

実際は弱毒化により

より多くの感染(増殖)の機会を

得られるよりウイルスが広がっていきやすいと

いう適応進化なのか?

まとめます

ヒトを次々と殺戮していった「スペイン風邪」の

ウイルスは一人の科学者の長年の

執念で鳥から介した

H1N1のA型インフルエンザと

判明した。

この猛威を奮っていたウイルスは

自然に弱毒化し収束していくのはなぜか?

ウイルス側の適応進化であると

考えられる。

自らが増殖しやすいように宿主を

全滅させないようにしている。

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