いっそう「生まれつきだ」と思いたい『知能指数』滝沢武久著

知能指数知能指数
スポンサーリンク

勉強ができなかったり

才能がないのは

一体誰のせいなのでしょうか?

子供や親が怠慢なせいなのでしょうか?

努力でなんとかなるものなのでしょうか?

もし、

努力ではどうすることもできないのに

過大なプレッシャーを

他人からかけらてたのでは

たまったものでないでしょう。

そんなモヤモヤに対して

本書では

知能は遺伝か環境なのかについて

触れています。

遺伝か環境か

アメリカの心理学者のターマンは

知能レベルが高い人の研究を長い間

かけて取り組んだ人で

知能は遺伝か?環境か?を研究した

結果を本書で紹介しています。

知能は遺伝だ

ターマンは、知的天才が社会的に

上層の家庭から多く出現することに

着目して、“知能は遺伝“と主張しました。

上層階級というのは

職業や社会階層が上位であることで

そのことからも

知能が優秀な証拠だとし

職業や階層が下位にあるのは

知能が低いからだ、という

そして、それらの素質は遺伝するという

ちょっと単純な発想から研究を

始めている。

専門職で都会の子は知能が高い

その研究は職業別にまたは環境ごとに

比較してIQテストをしてその値から

自分の仮説を実証しようと

考えていました。

その結果、

自由専門職の子のIQは

平均116なのに、

日雇い夫の子は

平均97であり

次は環境として

都会の子供の平均は105・7なのに

農民の子供はIQ平均が99・2しか

なかったというものです。

知能テストは環境に依存する

しかし、知能テストによって

生まれながら持ち合わせている

純粋状態の知能を測ることは

不可能でもあります。

なぜならば、

知能はその人が直面してきた障害や

辿ってきた学習や、受けてきた教育などを

通して、

作りあげられるものだからです。

人間の環境への働きかけの仕方が

知能を決定してると

言えることになります。

知能は教育によって変わる

ターマンは環境で言うなら

特に学校の教育が

重要になると言っています。

研究として

小学校時代にテストしておいた

同じIQのスコアの

中等教育以上の人と

義務教育までの人とで

10年後再テストして比べた結果、

IQのスコアがかなりの違いに

なって現れていたということです。

著者は

このような研究結果を踏まえて

非言語テストであっても

その結果は、生来(生まれた時から)の

知能の表現ではなく

長期にわたる

学習効果の介入が知能の違いを

生んでいるとしました。

言いかえれば、

この種のテストは、

その人が学習してきた技能を

調べるものに過ぎないと

言うことなのです。

ターマンは農民の子では、

5歳児の平均IQが99に対して

15歳児の平均IQは94と

下がってしまうことから

知能の階層差は、

遺伝的な差ではなく

教育や学習の不平等性が表現されたもので

そのような環境が

知能に関与していると言うことは

事実といえるのです。

しかし、

全く知能が遺伝に関与していないかと

いえば、それは言い切れないそうです。

本書では特に

低い知能は遺伝によるものと

見ています。

南北戦争でマルチンという兵士が

精神の薄弱した女性(カリヤック家)と

そうでない女性と

関係をもち

その両方が子供をもうけて

その後、両系統の数世代にわたる

子孫の調査では

カリヤック家では多くの子孫に

精神の薄弱、もしくは犯罪者、大酒飲み

が見られました。

そうでない系統では

そのようなことはなく中には

社会的にも認められるようなものも

輩出しています。

この結果だけではなんとも言えませんが

「知能は遺伝だ」ということの有名な例として

本書では挙げられています。

これらの社会的条件(環境)が

生物学的な面で固定されて

子孫にまで影響が出てしまっているのでは

ないかと著者は考えています。

まとめます

結局、知能は生まれつきなのか

後天的に与えられた環境なのかは

わからないようですが

このようにどちらでも

あるようでないというのは

知性や才能を渇望している人に

とっては

「はっきりして欲しい」と思うのが

正直なところではないかと

思います。

もう、生まれつきダメなら努力しても

だけだとわかっていれば

そんな無駄な抵抗の“努力“など

しないし、

させないようにすることがストレスがない

人生が送れるのではないでしょうか。

いっそう「生まれつき」と決まっている方が

良い場合もあるのです。

知能指数
スポンサーリンク
スポンサーリンク
inuimieをフォローする
スポンサーリンク
ぽつのブログ

コメント