子供に「死」について聞かれた時読む本『葉っぱのフレディ』レオ・バスカーリア作

葉っぱのフレディ葉っぱのフレディ
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子供に“死“について聞かれると

なかなか答えにくい大人は多いのでは

ないのでしょうか?

日頃、

無邪気に楽しい時を過ごしている

子供にとって毎日が

楽しければ楽しいほど

それを奪われる恐怖を感じる時期が

子供時代に一度はあった

ことでしょう。

そんな時、この絵本が必要以上に

恐怖を感じることがないように

子供たちを導いてくれることでしょう。

葉っぱのフレディのあらすじ

春に落葉広葉樹の葉っぱといて生まれた

葉っぱのフレディは

夏には大きく成長して

五つに分かれた立派な葉に成長しました。

フレディは自分を取り囲んでいる

数えきれないほどの葉っぱを

観察します。

それらはどれも同じに見えましたが

どれひとつとして同じ葉っぱはないと

気づきます。

隣はアルフレット、右側はベン

すぐ上のクレアは女の子です。

そして、フレディには親友がいます。

親友のダニエルは誰よりも大きくて

大人じみています。

考えることが好きで、物知りでした。

フレディはダニエルに色々教わります。

自分が葉っぱであること、

木の根っこは見えないけれど

地面の下にあって見えないけど

四方に張り巡らされているので

木が倒れないこと、小鳥たちのこと

月や太陽や星の秩序など

巡り巡る季節のことをフレデイに

教えてくれるのはダニエルです。

フレディは思います。

「生まれてきてよかった」と…

友達もいるし見晴らしもいい。

風通しもよく日当たりもいい。

夜はお月様も照らしてくれます。

夏は特に楽しく過ごします。

昼間の時間が長く暖かい時間が

長いからです。

フレディのいる公園には大勢の人が

やってきます。

ダニエルは「みんなで協力して影を作ろう」

と呼ぶかけます。

人間にとっては、

夏の日差しはきついものです。

フレディは

「どうしてこんなことをするの?」と

ダニエルに尋ねると

「みんなが喜ぶからだよ」と答えました。

「これが葉っぱの仕事なんだよ」と

付け加えました。

フレディは木陰で老人たちが

昔話をしていたり

子供たちが

笑ったり走ったり似ているのを

見ているのが楽しいようです。

そんな楽しい夏も終わり

秋が冬の寒さを連れてくる頃

フレディたちは寒さに震えるように

泣いました。

そして、これまで緑色だった葉が

一気に紅葉し始めました。

フレディはここでも思います。

一緒に生まれた同じ木の

同じ枝のどれも同じ葉っぱなのに

みんなそれどれ

違う色で紅葉しているのです。

ダニエルは生まれは同じでも

いる場所が少し違えば

太陽の向きや風の通り具合も違う

月の光や一日の気温など

何ひとつ同じ経験をしていないからだと

フレディにい教えます。

風が変わりますます寒くなると

葉っぱは次々と枝から離れて

地面に落ちていきます。

フレディは仲間がいなくなっていくことが

悲しくて仕方あります。

フレディは

「僕もいなくなってしまうの?」と

ダニエルに尋ねます。

「僕たちは葉っぱとしての

 仕事は終わったから引っ越しだと」と

答えました。

「ダニエルも?」と聞くと

「僕も引っ越すよ」

「僕の番が来たらね」

と言いました。

フレディは「僕は嫌だ!」と拒否します。

しかし、とうとう残りは

ダニエルとフレディだけとなり

フレディは感極まって

「引っ越すって“死ぬ“ってことでしょう?」と

ダニエルに言います。

ダニエルはこれには答えません。

続けてフレディは「死ぬのが怖いよ!」と

言うと

「経験していないことは誰でも

 怖いよ。

 でも世界は変化していて同じ状態、形で

 止まることはできないんだよ。

 葉っぱが緑から紅葉した時

 怖かったかい?

“変化する“ことは自然なことなんだ。

 “死ぬ“ということも変わることの一つだよ」と

フレディを諭します。

フレディは

「自分の一生には意味があったのか」と

ダニエルに尋ねます。

深く頷きながら

「人間に木陰を作ったり

 秋には紅葉してみんなの目を楽しませたり

 それらはとても楽しかった。

 それはどんなに幸せなことだっただろう」

と言いながら、

ダニエルは枝を離れていきました。

フレディは一人になりました。

フレディに初雪がのしかかった時

重みを感じながら風に乗って

そっと地面に落ちました。

その時初めて立派な木の全体を

見ながら

「命は永遠に生きているのだ」と

思いました。

フレディはふわふわした“引っ越し先“で

目を閉じました。

フレディはしかなかったのですが

枯れ葉のフレディはまた

木を育てる力になるのです。

著者はこのことを

寸分の狂いもない“大自然の設計図“と

言って

この物語を占めています。

植物のサイクルを人間の一生に例えた

アメリカの哲学者の著者が書いた

生涯でたった一冊の絵本なのですが

作者からのメッセージといて

死別の悲しみに直面した子供たちと

死について適確な説明ができない人に

向けられた本書のようです。

確かに人の一生もフレディが経験した

ような

春に生まれて冬に落葉するという

サイクルに例えるとまさにその通り

なのでしょう。

どれとして同じ葉っぱはない

誕生から死についてを

わかりやすく説明しながら

どの葉っぱも同じようで

同じではないと言うことも

葉っぱの形、大きさ、紅葉などで

表現されていて

そのことが、

春から冬にかけて流れるように

単調のような一生が

実はどれも同じではなく

それぞれにとってかけがえのない

人生なのだと

強調されているように

思います。

人生の幸せとは何か

フレディはダニエルに

「僕は生まれてきてよかったのだろうか」

と尋ねています。

それに対して

「人間に木陰を作ったり

 紅葉してみんなの目を楽しませたり

 そんなことがどんなに 

 楽しかったことでしょう

どんなに幸せだったでしょう」と

答えています。

自分以外の人のために何か

少しても貢献できたと思える人生は

素晴らしいと言うことも

フレディを通して

著者は子供たちに伝えたかったの

かもしれません。

最後にダニエルがフレディに教えた“死“

ダニエルはフレディに色々教えていましたが

最後には自分が風に乗って落ちる様を

フレディに見せています。

フレディは“死“への恐怖をダニエルに

訴えていました。

それに対してこれまで生きてきた

間に起こった“変化“と何も変わらない

今まで、経験したことがないから

怖いと思うだけだと

自分が落葉することで

証明します。

最も近くにいるものの“死“ほど

それを教えるものはないのです。

ダニエルは最後に身をもって

フレディに“死“が恐怖だけではない

と言うことを教えたのです。

まとめます

人の死には、恐怖であったり

寂しさ、悔しさが伴います。

それでも、このだいそれた人の“死“も

大自然の中では決められた摂理に

したかって変化していくことに

すぎないと言うことなのです。

葉っぱのフレディ
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