親は子供の人格形成になんの影響も与えられない『言ってはいけない』橘 玲著

言ってはいけない言ってはいけない
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満足度100%の「子育て」が

できていると思っている親は

あまりいないのではないでしょうか。

それどころか

子供のできの悪さを

「自分のせい」だと

思い込んで、落ち込んでいる人も

いるのではないでしょうか。

本書では、

いかに親の努力が無駄なのかを

示している内容が

書かれた部分があります。

子育てがうまくいかない、

子供の教育に自信がない人は

本書を読んでみると

ちょっと、勇気づけられるのでは

ないでしょうか?

遺伝と環境で「私」になった

ここでの内容は

一卵性双生児と二卵性双生児を調査して、

子供の性格や能力が遺伝によるものか

環境によるものなのかを

調査した結果を用いて

著者が考察しています。

一卵性双生児は受精卵の段階では

同じだったので

独立した個体ではありますが

遺伝子は同一です。

それに対して

二卵性双生児の場合

二個の受精卵なので通常の兄弟姉妹と

同じで

50%の遺伝子のみ共有しています。

そこで、幼い頃からこの双子を

それぞれ別の環境で育てて

その、性格や能力を成長後に

調査することによって

その性格や能力が遺伝によるものなのか

環境によるものなのかが

わかるということです。

遺伝で決まっているもの

まず一卵性と二卵性の違いによる

変化として

身長、体重、指紋などが

一卵性の方が類似しているのは

二卵性が50%の遺伝子にか共有してない

ことが

その比率分だけ類似率が低かったようです。

一卵性双生児の

体重の相関係数は1を完全として

0.8%の類似が見られていますので

これらは遺伝が関係していると

言えるようです。

体格に関しても

「もっと、食べさせなければ!」

「もっとカルシウムを取らして」

「ジャンプさせたら背が伸びるかも」

など、

親が気を配れば、背が高くなったり

体重が増えがっしりした丈夫な体を

作ることができると思い込み

他者と比べては焦っていた

自分の子育てが

あまり関係がなかった

ということになります。

でも0.2の分は共有ではないにしろ

環境のせいなので

全く同じではない限り

意味がなかったとは言えませんが

その程度ということです。

同様のことが

一般知能(IQ)や学業成績、

胃潰瘍や高血圧などの病気

情緒障害、

自閉症、アルツハイマー、統合失調症などの

精神疾患、発達障害などの

調査では遺伝による関与が大きいという

結果が出ている。

しかし、胃潰瘍は遺伝的な影響は

あるのですが

一卵性と二卵性ではそれほど

類似率が変わらない

(もちろん多少は一卵性の方が高い)

しかし、“遺伝病“などと言われている

がんは、胃潰瘍と比べて双生児類似性は

ずっと低かったのです。

このことから、

がんをひきおこすのが

がん遺伝子のせいだとしても

それが発現するかどうかは

環境によるものだということが

示されています。

これらはいわゆる“がん家系“と

言われるものであっても

食事や生活習慣に配慮できれば

予防できるものも多いということです。

「こころ」は遺伝するのか

上記に述べれれたように

行動遺伝子上では

知能や性格、精神疾患などの

「こころ」に遺伝が強く影響している

ことが示されていました。

しかし、全ての「こころ」が

遺伝することではないと

著者は言っています。

環境に影響される「宗教」と「言語」

例えば、「宗教」などは

遺言ではなく共有している環境に

よるものが影響にています。

親が熱心なクリスチャンなら

自分もキリスト教徒となることが

多いのです。

これと同様に言語環境の影響も

子供は親の話す言葉を真似て

同じ言語になることが多くなります。

なので、

「宗教」「言語」に関しては

環境が主に影響していると

いうことなのでしょう。

性格の方はどうでしょうか

「外向性」や「調和性」などを調べて結果は

遺伝的な要素が35〜50%で

あとは環境によるものだという

ことです。

しかし、

これは双生児を別々に育てているので

同じ環境下で違いがでたわけでは

ないので

同じ親が同じように育てても

違う性格になるということを

示しています。

自閉症やADHDなども

男らしさ女らしさも類似性は

高いので遺伝的な影響はあるのですが

環境にはほとんど影響されて

いません。

結果として

文化、宗教、言語以外は

親が子供に完全には

影響を与えることができないと

いうことなのです。

残酷すぎる真実

このことはなかな社会では

理解されないと著者は言っています。

それは、子供の人格・才能に子育ては

ほとんど関係がないということです。

それは、別々に育った一卵性双生児の

類似性が高いことから

親があたえる様々な環境の寄与度が

ほとんどないと言えて

しまうからです。

調査結果では宗教や言語以外では

アルコール依存症や喫煙も

親の影響が大きいようです。

まとめます

学習能力はもちろんとして

「男らしく、女らしく」という

しつけの基本においても

親は子供の人格形成になんの影響も

与えられないというのは

ものすごく、理不尽で脱力感を

覚えますが

確かに子供は親の思い通りには

ならないのは経験上、

納得してしまします。

しかし、

なんでも「生まれる前から決まっている」

となれば、

また、それはそれで揉める原因に

なりそうでこのことが社会に浸透するのも

怖いことだなあと思ってしまいます。

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