オプトアウトできる女性たち『言ってはいけない』橘 玲著

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男女同等と叫ばれて

出世競争に女性が参加し

この頂点を極めることも

珍しくありませんが

そんな中でもその「頂点」から

ある日、なんの躊躇もなく

“オプトアウト“することができるのも

女性なのです。

これはどうしてなのでしょう。

女性は簡単に仕事より家庭を優先してしまう

本書で取り上げられているのは

2011年6月に

ディー・エヌ・エー創業社長の

南波智子氏がトップの座をしり退いた

理由が

「夫の看病で(社長業に)全力を

 出せなくなった」というだったという

ものです。

ハーバード大学でMBAを取得し

大手コンサルティングからベンチャーを

立ち上げ、わずか10年で1000億円を

超える上場企業に育てた人の

退任の理由がこれだけの経歴の人

らしからぬものだったと

思ったのは著者だけではないでしょう。

彼女は優先順位を仕事から家庭へ

変わってしまったというのです。

しかも、なんの躊躇いもなく…

なぜ、そんな気になったのか

本人にもわからないようなのです。

2003年、ニューヨーク・タイムスの

女性記者リサ・ペルキンは

「社会的成功を手にした高学歴の

 女性たちが次々と家庭に戻っていく」

ことについて書いた記事のことも

紹介しています。

これは「落ちこぼれた」のではなく

「自らの意思で仕事から身を引いていった」

“オプトアウト“と呼ぶものだと

この記者は言っています。

このように“オプトアウト“した女性たちは

「有名になりたいわけでも

 世界を征服したいわけでもない

 そんな人生はまっぴらなのです」と

言っています。

「もともと違う」は言ってはいけないこと

この記事で何が言いたいかというと

「男と女は生まれながらにして

 違っている」ということを

述べているのです。

新しい時代を迎え、

男女平等を叫んでいるアメリカでは

タブーな話だったのです。

男と女は生まれつき幸福優先度が違う

日本はもちろんのこと

欧米でも

女性の平均収入は男性よりも低く

組織のトップも断然女性の方が少ない

にもかかわらず

先進国での女性の満足度を

調べると、

いつの時代でも女性の方が高いのです。

その一方でイギリスの2万5000人の

女性公務員に調査すると

90年代前半以降は女性の仕事に対する

満足度は下がっているが

男性はほぼ変わっていまいようです。

男性と異なる職種選択(女性が多い)を

していたときは女性の方が

満足度が高かったということです。

どうもこれでは、男女同権、

女性の社会進出が進むにつれて

かえって女性の満足度が下がって

しまったことを示唆しているようです。

女性は自信を持つことが苦手

このように男女同権になったことに

よって、

満足度が下がってしまう現象は

どのように説明できるのでしょう。

著者は

女性の“自信のなさ“をあげています。

ここで例を挙げられているのは

同じ高学歴の男女で調べると

会社での昇給の交渉の交渉をしたのは

女性は男性の4分の1しかおらず、

5年後に自分に相応しい収入は

いくらだと思うかと訊くと

男性は平均で8万ドル(960万)

女性は6万4000ドル(770万)でした。

学歴社会の頂点に立とうが

女性は自分の価値を男性の20%も

低く見積もってしまっています。

では、この自信のなさは

家庭や学校での教育、

そして世の中が女性の進出を阻んできた

長い年月のせいなので

しょうか。

著者は本書でこの女性の自信のなさは

今では「遺伝子の影響」なのではないかと

疑われていることを紹介しています。

神経伝達物質に「セロトニン」という

分泌により幸福感をもたらす物質があり

「セロトニン」を運ぶ遺伝子には

SS型、SL型、LL型があるのですが

このSS型は他のタイプに比べて

輸送率が低く、不安感が強いのですが

このSS型の男女で比べてみると

女性は男性よりも52%も少ないことが

わかっています。

こうした女性が

男性に混じって組織の中で

出世競争に揉まれると

苦痛を伴い、男性よりも

満足度が下がってしまいます。

このように最新の遺伝学や

脳科学の知見では、

男女は生まれつき「幸福の優先順位」が

違ってきてもおかしくはないという

ことなのでしょう。

男性は競争に勝つことに満足を

感じるが

女性は不安感から

家庭と切り離されると人生の満足度が

下がる傾向になってしまうと

いうことです。

しかし、遺伝のせいで女性が

社会進出することが困難であると

いうことでもないと著者は言っています。

例えば、国家が男女を同数の

職業に就かせようと

物理や工学の分野で「エンジニア」を

育てようとすると

女性の満足度は下がってしまう

かもしれませんが

高い知能、共感能力を持つ人が

多い女性なら

有能な医師や弁護士、教師など

男性が多いような職業に女性を起用したり

看護師や介護士に女性を多く採用するなど

すれば、

女性の満足度を上げながら

社会進出もできることになると

著者はただ「男女平等」と訴えるのでは

なく、

両者の違いを認めた上で

男の女も幸福な人生を送れるような

制度を目指すのが

相応しいのでないかと言っています。

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