天然痘、ペスト、スペイン風邪、エイズ
エボラ出血熱、新型コロナウイルスと
人類は常に「感染症」と闘ってきました。
これら目に見えないものに対して
「免疫」を獲得する
ことによって
抗っていかなければ
種は存続していけません。
この「免疫」をワクチン接種にとって
獲得していくのですが
この予防接種で得られる
「免疫」のことを知って
効果的な接種ができるよう
本書ではわかりやすく解説しているので
紹介します。
病原体から体を守る自然免疫と獲得免疫
私たちの体は生まれながらにして
病原体から身を守るための
「免疫」が備わっている。
免疫とは
こうした病原体や異物など
もともと体にいないものを
「非自己」として排除して
自分の体を守るシステムのことです。
自己免疫機構は2段構えになっています。
生まれた時から備わっている自然免疫
まずは皮膚や鼻や口、消化器官粘膜などは
「物理的バリアー」で
唾液や涙などに含まれる殺菌物質は
「化学的バリアー」として働き、
そして、それらが破られると
血液中の白血球に含まれる
マクロファージや好中球が
「細胞バリアー」の役割を果たし
病原体を食べてり、やっつけて
排除したりします。
そしてダメージを受けた細胞の
修復もします。
これらは生まれ持った
「自然免疫」機構です。
ワクチン接種などで得られる獲得免疫
自然免疫を突破してきた病原体に対して
働く免疫機構で
過去にその病気になっていたり
その病原体をわざと入れる
ワクチン接種などで得られる
後天的な免疫です。
これを担うのは
白血球の中のB細胞やT細胞です。
キラーT細胞が病原体に感染した
細胞を殺し
B細胞が病原体を排除するための
抗体を作り
その病原体が再び入ってこようなら
それを覚えている抗体が
初めにかかった時よりも
素早く対応します。
免疫機構を活発にさせる条件
この二つにの「免疫」が
病原体より強ければ病気にかかりません。
では、病原体よりの強い
「免疫」をつけるにはどのような
条件が必要なのでしょうか
加齢に伴う免疫機能の低下
免疫機能は小学校高学年くらいを
ピークに20代まで維持され
40代後半から急激に低下すると
本書では示されています。
50代では20代の半分以下に
なるというのです。
高齢者が悪化しやすいというのは
このことからもいえます。
加齢の伴って免疫が下がるのは
慢性炎症が若い人より多く
それを鎮めようと
「炎症性サイトカイン」が作られる
適切な量なら炎症を抑えるのに
役に立ちますが
過剰になると、炎症が飛び火し
全身に広がり臓器の機能が低下します。
新型コロナウィルス感染症では
これが暴走して
“サイトカインストーム“が起こり
全身の血管や臓器に障害が生じ
多臓器不全になる人がいることも
わかったと書かれている。
高齢者や糖尿病、高血圧の人は
新型コロナウィルス感染症に罹ると
重症化しやすいのは
このせいだと考えられます。
適度な運動で免疫低下を防ぐ
運動によって血行が良くなり
自然免疫を担当する細胞が
病原体や異物の侵入に備えて
全身のパトロールをしているのですが
それがより活発に働くことになると
いうことです。
運動もやりすぎは炎症を増やし
自然免疫を下げてしまうので
適度な運動にすることが大切です。
体内時計の乱れを防ぐ
免疫を活発にしたいのであれば
規則正しい生活に心がけるのも
大切なのです。
なぜなら、免疫機能を担う
B細胞やT細胞の働きは体内時計に
支配されているからです。
マウスを使った実験で
夜行性のネズミは夜がアドレナリンの
分泌が多く
免疫細胞も活発に働いていた。
人の場合も最も交感神経の働きが
高まる午前中に
免疫細胞は活発化すると
考えらえれます。
この研究チームや英国で
65歳の高齢者２７６人を2群に分けて
インフルエンザ予防接種をした場合
免疫が最も高まる午前9〜11時に
ワクチンを打つと
抗体ができやすく予防接種の
効果を得やすいことが
この研究でわかっています。
なので不規則な生活で
体内時計が狂っていると
このことが適応されず
免疫がつきにくい状態になっていると
言えるでしょう。
まとめます
免疫には自然免疫と獲得免疫があり
ワクチン接種で得られるのは
最後の砦となる
獲得免疫なのです。
今回のように新しい病原体の場合
自然免疫も獲得免疫も両方に
しっかりしてもらわないと
太刀打ちできるものではないのです。
できるだけ免疫力を上げるような
生活に心がけなければならないのです。
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