②ナショナリズムとパトリオッティズム『祖国と国語』藤原正彦著

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祖国愛や愛国心というのは

最近の若い人たちには

あまりピンとこないようですが

明治時代まで(特に戦前まで)は

特に“愛国心“などと意識しなくても

標準装備されたものだったのです。

本書ではそれを国家の危機と捉え

正しい形での“祖国愛“を育むために

ナショナリズムとパトリオッティズムの

違いを紹介しています。

二つの「愛国心」

英語で“愛国心“に当たるものに

ナショナリズムとパトリオティズムが

ありますが

その違いがよくわかりませんでした。

著者によるとこの二つは全く異なると

言っています。

ナショナリズム

通常、他国を押しのけてでも

自国の国益を追求する姿で

著者は

それを“国益主義“と読んでいます。

この国益主義は

一般人にとっては不必要で危険な

ものでもあります。

しかし、外国との交渉を担っている

政治家や官僚は必要悪として

兼ね備えなければ

他の国の露骨な国益追求に

対応していけないのである。

国民の平和や安全、繁栄を確保するため

こちらも国益を貫く

強い意思が必要なのです。

パトリオティズム

祖国の文化、伝統、歴史、自然などに

誇りをもちそれらをこよなく

愛する精神である。

それを著者は祖国愛と表現し

家族愛や郷土愛の延長にある

ものと考えています。

監視が必要な“愛国心“ナショナリズム“

ナショナリズムなどの“国益主義“は

追いすぎると

肝心の祖国を傷つけることのなる。

国益主義が暴走し、

国益を守るにあまり祖国そのものを

台無しにしかねないので

それらを担ぐ指導者は

“祖国の品格“を傷つけないよう

節度を持つ必要がある。

そのため国益主義に走る

“愛国心“については監視が必要なのです。

列強との利権争奪が“愛国心“を破壊した

明治の頃はこの二つの“愛国心“は

一つの言葉でくくってきた。

江戸時代までは祖国を意識することは

さほどなかったから

その時代の人々は大雑把に

“愛国心“を捉えていたのが破滅に

至る始まりだった。

そして、戦後

“愛国心“が軍国主義の生みの親と

あっさり捨てられてしまいます。

それは祖国愛=パトリオッティズムも

捨て去ってしまったのです。

パトリオッティズムが美しい地球を作る

日本よりも中国やロシア、アメリカとの

関係を大事にするあまり

グローバリズムに乗り

祖国の文化、伝統、自然を損なっても

それを恥じない政治家・エコノミスト

財界人が増え

教育現場では、小学生の国語や算数を

減らし、実益のある英語やパソコンを

導入している。

そのことによって

得られた世界中の情報に影響され

世界の一様化が進んでいます。

「ボーダーレス」社会と囃されています。

各国の、各民族、各地方にある

美しく開花した文化や伝統の花は

世界中で一様となりどの地域でも

同じ花が咲くことになります。

著者はいろんな花があってこそ

地球は美しいのだと本書で言っています。

一つの強い国の色に各国が染まること

なく、それぞれの色(郷土愛・祖国愛)

を守っていくこそ美しい地球を守る

ことになるのです。

まとめます

戦後は強烈な軍国主義の懸念から

自国を愛する気持ちが欠如しつつ

ある。

国益主義(ナショナリズム)は

強い国を作り、他よりも有利にことを

運ぶことを第一とするあまり

祖国の品格を貶めることに

繋がることは本当に未来ある

子供のための豊な国づくりとは

なっていかない。

全ての子供に揺るぎない本当の意味での

“祖国愛“を育ませることが

国家再生の鍵となるのでしょう。

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