対談よりも感情が伝わる電話『他人をほめる人、けなす人』フランチェスコ・アルベローニ著

他人をほめる人、けなす人他人をほめる人、けなす人
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コロナ禍において直接会うことが

自粛される中で

電話対応が多くなりました。

実際会って話をするのと

電話で話すのでは

どのような違いがあるのかを

この機会に考えてみようと

思います。

電話では盲人の力を導入する

電話での話を理解するためには

電話から聞こえる

微かな音、語調や音調に反応しなくては

ならない。

そうすることで

相手の気持ちを察することも

その意図を解することも

できる。

しかし、直に対面するような

“視覚“に頼ることができない分

相手の意図や心理を掴む情報が

限られてくる。

視覚から得られる情報は多い

例えば、

“表情“が見れないということは

とても不利に働くことになる。

反応が笑顔なのか

目がうつろで物憂げなのか

きらきら輝いているのか

顔の筋肉の動き一つ、

驚きの表情一つで多くを語らずとも

相手にその感情、

心証を伝えることができる。

また視覚で言えば

“体の姿勢“もその在り方は

情報となる。

くつろいでいるのか

晴れやかなのか

それとも立ち上がりたくて

身構えているのか

落ち着きがなく不安気なのか

脚を組んだり腕を組んだりして

いるのかを知ることができない。

これらから普段は

対面することによって

無意識に情報を得ることができ

心情などの把握に使ったり

しているのです。

その他で言えば、服装などの身なり

ちょっとした仕草や癖なども

情報として処理される。

電話での会話のメリット

では、情報が会話だけの電話では

なかなか対談のように

うまく事を運ぶことはできないので

しょうか?

電話は一点に思いを集中できる

電話では直接会うことによって

かえって見失われる情報を得ることが

できる。

対談では、こちらが興味がない話に

なっても興味があるように

“装う“ことができるのに対して

電話では興味が逸れると

集中力が減退してしまい

単語や言葉を失ってしまう。

その時は取り繕うことができず

再度同じことを尋ねたり

会話が噛み合わない状態に

陥りやすい。

一瞬緊張が緩んだり、何らかの雑念が

胸中をよぎればたちまち

撃たれてしまうような緊張感を伴う。

そのことは、会話に集中を要し

効率的に会話をすることができる

メリットがあります。

正直な感情を伝えやすい

電話では、感じてもいない感動を

それらしく表明することは

困難であることで

本当の相手の感情を知りやすいと

いうことがあります。

例えば、哀悼の意などは

目を伏せ、言葉は短めに呟き

お決まりの仕草をすれば

それで相手に哀悼を伝えることが

できる。

そして、それに場の雰囲気が

加われば、

例え本当は無関心であっても

そのような相手が望まない感情を

取り繕うことができる。

しかし、電話では

受話器を通しての絶対的な静寂の中で

本当に哀悼の気持ちがなければ

それは相手に伝わらない。

本当の気持ちならは

その声の響きや息づかいが

言葉を支援してくれて

伝えることができる。

好感でも言えることで

初めは気詰まりであったり

当惑にていても

声の安らぎの変化で相手が

支援してくれようとしていることに

気づき和むことができる。

このように本当の感情が伝わり

やすいということは

不快感も容易に伝えてしまうので

電話では気をつける必要があります。

企業の実体が電話対応に反映する

企業においても電話の対応に

その会社の成果、繁栄が伺えることが

あると著者は示しています。

効率よく働いている企業の電話対応は

そのことを自覚していなくても

運営の満足感が電話の対応に現れ

それが声の調子となって

歓迎されるような

感情を相手に与えることになるようです。

まとめます

日頃、容易に対談できる環境ならば

電話などの会話だけでは

情報不足による誤解を恐れて

できるだけ重要な要件は避けたい

ところですが

対談が叶わない場合においても

真摯な気持ちがあれば

逆に効率よくことを運ぶことができる

ことを知ることができました。

これからは電話での会話にも

このことを意識して取り組んで

みたいと思います。

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