自分が何がしたいかわからない若者たち『アメリカンインディアンの教え』加藤諦三著

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受験シーズンですが

進路を決めるにあたって

「何がしたいがわからない」と

悩む若者が増えているように

思います。

取り敢えず決めてということすら

できないようです。

それには本人だけではなく

その本人の家族が影響していることが

あるようです。

本書にそのことが一部触れらているので

紹介します。

どれが正解かわからない子供たち

高校3年にもなると

進学や就職かその他の道を

選ばなくてはならない。

今までは将来のことなんて

考えず、

取り敢えず親や先生が勧める

中学や高校へと進学して行った。

そして、いよいよ卒業になるこの時期に

親は

「お前の好きなようにしなさい。」と

言う。

そして、その時子供は

親の表情や声の調子で

「好きなようにしてはいけないのだ」と

悟ります。

この時子供が

「じゃ大学に行かないよ。」と

親の「行ってほしくない」いう気持ちを

察して言えば

「好きにすればいいと言ったのに

 なぜ行かないにか!」と

思われるし、

「じゃあ行くよ」と言えば

何故行きたいのかしつこく聞き

理由が明確に答えられなければ

「本当に行きたいのか!」と

言ってくる始末。

子供にすればどっちなの?と

混乱してしまう。

この正解を出さなくてはという

考えから

こんな親子のやりとり以前に

「何をすればいいかわからない」と

言ってしまうのでしょう。

著者は

「自分が何がしたいだか

 自分にもわからない」という

青年が増えていることは

悲劇としか言いようがないと

記しています。

親の矛盾が子供を苦しめる

親も自分の意見を子供に押し付けては

いけないと思いながらも

自分の言う通りに子供がいかないと

腹が立ち“憎しみ“に似た感情が

親であっても芽生えてしまいます。

著者は深刻なのは

憎しみが愛情の仮面をかぶって

登場する時と記しています。

「好きなようにさせる」と

理解のある親のふりをするものの

身振りや顔の表情、不機嫌な顔をして

「いいよ」と肯定しても

子供には否定され

「失望した」とはっきり言う以上に

深刻な影響を与えると

著者は考えています。

子供にとって

どちらを選択しても矛盾が生じます。

親は抱きしめたり突き放したり

気分で扱うのは

子供に対して依存心の強い親である

と指摘しています。

アメリカンインディアンの教え

アメリカンインディアンの教えは

あるラジオ番組で朗読された

11箇条で作者は

ドロシー・ロー・ノルトさんが書かれた

ものを吉永宏さんが訳したもので

それは友人からもアメリカ土産に

もらったカードに書かれていた

散文詩なのですが

当時、大反響になったので

その消息をたどるも故人となって

いたため出どころもはっきりしないもの

でしたが本書の著者がこれを

モチーフに書き下ろした作品が

この本なのです。

自信の持てる励まし方

このアメリカンインディアンの教えの中の

第六章に

“はげましを受けて育った子は自信を

持ちます“と

言うものがあります。

子供自身が自信を持って未来に

勧めるための教えと言った

ものでしょうか。

子供が失敗したときはやはり

“励まし“が必要ですか

その時、自信を失わせないよう

注意が必要です。

そして、励ましているようで

実は子供を操作していないかの

注意もしなければなりません。

そして、励ましには

“寛大さ“が大切で

子供の現実を受け入れ、

そのうえで励ます時に

子供に自信を与えると著者は

言っています。

子供を脅かしてはいないか

子供に強く優れていることを

期待しながら、

その裏で

強く優れていなければ愛さない

という姿勢でないがどうかです。

これは自信ではなくストレスを

与えていることになります。

「〜をするな」と言わない

これはよく聞くことだと思います。

しかし、その心理には

親自身が恐怖心が強く

子供が何をするのも怖くて

仕方がないというところから

起こっているようです。

なので「〜するな」と

言ってしまいます。

著者は本書で

「葉っぱのフレディ」の著者で

教育学者の言葉を引用しています。

「両親の役割は、第一に子供を

危険から遠ざけて置くことではなく

怪我をしたときに備えて、

バンドエイドを十分に持って

子供のやることを

見守ってやることなのである」

「アメリカンインディアンの教え」加藤諦三著

大切なのは親自身が恐怖心を

克服することが必要と書いています。

自分が未知への恐れ、

変化への恐れ、

評価への恐れ、さまざまな恐れを

捨てられない親に励ませれても

子供の励みにはなりません。

親が自分が生きることからの

困難から逃げていては

いけないということです。

親自身が意欲的であることが

子供の信頼を勝ち取る術なのです。

無理を望まない

いきなり高い目標ではなく

徐々に子供の適正を見ながら

目標を上げていくような

励ましがたいせつです。

楽観主義で

一位ではなくまず六位からのように

二番手のビン洗いなら次は

社長ではなく一番手のビン洗いに…

試験で可から次は良をなど

少しずつ成功につなげる励ましを

していくということです。

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