男値段 女値段 お金は何をしてくれる?『しあわせのねだん』角田光代著

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お金の価値や物の値段は

値札通りではないと感じる時がある。

とてもほしい物ならいくら高い値段が

ついていても高く感じないし

逆に特別欲しくない物なら

「なんでこんなに高いのかなあ」と

思ったりします。

このように、

日常でのお金にまつわる話を

リアリティを込めて

『対岸の彼女』で直木賞を受賞した

著者がリアルに綴ったエッセイです。

私も共感する部分が多かったので

紹介します。

「ペろん、ぺたん」がしてみたくて…

著者は

自動改札で定期券をペろんとめくって

ぺたんとくっつけて颯爽と

通過することを羨ましく

思っていたので

大して使用しないのに

Suicaカードと定期入れを購入した。

この時の購入金はこの

「ぺろん、ぺたん」のための金額と

著者は言っています。

確かに私も財布に入れたまま

「ぺたん」とあてて颯爽と改札を

抜けるのは快感でありました。

今ではポストペイという後払いが

あるので、チャージが減るたびに

「え〜もうこんなに使った?」って

思うことはありましたが

著者もチャージが減るのが嫌で

わざわざ切符を買ったりしています。

確かに

一回一回切符を買っていた時より

“搾取感“を感じるのは私も同じです😆

24000円分働いてくれる?

これは電子辞書の値段です。

これが高いか安いかわからない。

でも、試しに使ってみたら面白い

と思った著者は「木っ葉天狗」という

言葉を調べこのようにさっと

教えてくれるなら

小説を迷うことなく書き進められると

思ったのですが

「木っ葉天狗」なんて言葉を使った

威力のない天狗が出てくる小説を生涯で

書くことがあるのだろうかと

思うようになり

24000円を出して買う理由を

必死に探している自分に

気がつきます。

語彙豊富な小説やスムーズに進む

異国旅行を叶え

24000円以上のことを

してくれるのかと機械に問うています。

これも気持ちがわかります。

「これで全てできるんでしょうね!」

なんてみみっちいことを

考えてしまうのです。

“電子辞書“などはプレゼントで

もらいたい物ですね。

理想的中身40000円

これほどキャッシュレスが進んだ

昨今では

著書に出てくる“財布の中身“は

また、変わってきていると

思いますが

著者は恋人と海水浴に出かけますが

財布にお金が500円しか残金がなく

それでもカードを使ってキャッシング

してもいいし

彼に借りてもいいしと

楽観的に考えていたのですが

行けどもいけども銀行やATM

らしきものがないので

彼にいくら持っているか

確認すると10000円と

今から

海水浴を楽しみ食事をするには

“焼石に水“状態だったのです。

それでもなんとかなると海水浴を

始めるが

お金がないことが気がかりで

結局隣の駅まで電車でいき

銀行でお金をおろすことになるが

すぐに電車はなく1時間ほど

待つことになり

海水浴に来た時間を

銀行の往復に使ってしまった

悲しい出来事が記されています。

このような経験は私にもあり

ヨーロッパの田舎町の旅は

とても個性的で楽しかったのですが

いざお金を払うにもカードやチャックが

使えないのです。

こんな時 例え、

貯金が巨額あろうが

いざ使う手元になければ

一文なしと同じなのだと

痛感させられます。

著者は友人にアドバイスされます。

財布の中身は年齢を四捨五入し

1000かける金額を入れておくよう

言われています。

40歳なら40000円ということに

なります。

男値段・女値段とは?

著者は

クリスマスのプレゼントを買いに

出かけます。

そこで値段を見てみると

恋人に送るのはやはりアクセサリーが

多いのかそのコーナーは

この時期いっぱいなのですが

このアクセサリーの値段は

女性が身につけるため“女値段“かと

思いきや“男値段“だと気がつきます。

大体10000円台から50000円

ぐらいが多いのです。

100000〜200000円だったり

500〜2000円という

値段のものは少ないのです。

男性が女性にプレゼントするのに

ちょうど自尊心も保たれ

財布の紐も緩められる金額が

このあたりなのです。

この金額の幅が狭すぎるため

人がごった返すのだと

著者は指摘しています。

面白いですね🤣

ちなみに

80000円の自転車は“男値段“

120000円の靴は“女値段“

有名作家の椅子220000円は

“男女兼用値段“

漫画みたいなキーホルダ−3800円は

“女値段“だそうです。

これには納得がいきます。

自転車に高額をかける女性も

靴に高額をかける男性も

相対的に少ないと言えるからです。

値段の価値は男女でも違うのです。

まとめます

どんなものにお金をかけるのか

どんな状況でお金が必要なのかに

よってその時のお金の相場は

それぞれ違ってくる。

著者は家計簿をつけるように

本書を書かれている。

お金の“やりくり“が学べるというより

そのお金にまつわる幸せな日々を

綴った作品なのかと思います。

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