「人間理解」は命がけの仕事『心の処方箋』河合隼雄著

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中年になって何故か突然

夫や妻が反抗的でわからずやに

なったように思う夫婦は

多いのではないでしょうか?

家庭内別居などでやり過ごせる人は

まだマシなのでしょうが

楽しいかといえば

そうではないでしょう。

そこで男女間での

「協力」「理解」の違いを

知らなければならないと本書では

記されています。

他人を理解することは

どういうことなのか

これは本書でも取り上げられている

だけあって、自分だけではなく

多くの人の悩みなのでは

ないでしょうか?

協力はし合えても理解は難しい

理解を求めて「対話」してみる。

会社で理不尽な目にあった夫は

このことを

家で何もしないといつも夫を罵る

妻に知ってもらおうと思った。

自分がいかにつまらないことを

させられて耐えているかを…

そこで、

なんと言っても夫婦には「対話」が

必要ということだから

不機嫌にしているだけでは

理解してもらえないと思い

思い切って話すと妻は一笑

しただけだった。

このような小さなことが重なり

夫婦はお互いに相手が理解して

くれないと思うようになる

のではないでしょうか

同じ目標に向かって協力し合う

家のローンを払ったり、子育てなど

一緒にし同じ目標に向かっている間は

お互いが過不足を補いやって

無我夢中でやっている内は

相手が笑っている時に泣いていたり

してもお互い気づかないで

やり過ごしています。

お互いのことをわからなくても

やってこれるのです。

しかし、

中年から老年に差し掛かる頃

大きな目標に向かうことも

なくなり

相手がお互いを知らなかったことに

気がつく余裕が出てきます。

協力関係を「理解」と取り違える

協力関係を「理解」と取り違える人は

どうして相手がわからずやになったのか

と思ったり

今までの協力が偽物だったりするが

そうではない。

男女が理解し合うことは

実に大変なことであり

それは一般的に言って、

中年になってからはじまると

言っていいだろう。

「こころの処方箋」河合隼雄著

これから始まる老年にあたって

相手を理解することの難しさを

改めて知ることによって

新たな関係づくりのこころがまえが

必要であると著者は言っています。

人間理解は命懸けの仕事

著者は他者を真に理解するのは

命がけであると言っています。

簡単に「人間理解が大切」なんて

いうのは甘すぎるようです。

京大教育学部臨床心理学の教授で

あった著者がいろんなカウンセラーの

経験談などをもとに「真の理解」を

考えた時、悲劇的な結末に

終わることも多々あったと

記しています。

登校拒否の高校生に親を殴ることを

咎めたカウンセラーが

親への怒りを自身に向けられたことや

患者に殺された精神科医など

患者を理解しょうとすればするほど

命をかけることになってしまう。

では、

他者を咎めずやりたいようにやれと

突き放すことは理解できている

かといえば理解の放棄にも

とられかねない。

うっかり他人のことを

理解しょうとし出すと、

自分の人生観が根っこにあたりで

ぐらついてくる。

これはやはり「命がけ」と

表現していいことではなかろうか。

実際に、自分の根っこを

ぐらつかせずに、他人を理解しようと

するのなど甘すぎるのである。

「こころの処方箋」河合隼雄著

まとめます

「理解してもらえない」

「わかってもらえない」など

あたかも理解されて当たり前の

ように思って

それができない相手に対して

「愛情がない」「優しくない」など

勝手なことを思っていたことも

ありますが

本書を読んで相手を理解するのは

自分の人生観をひっくり返すような

覚悟がいることだということが

わかり

これから歳を重ねるにあたっての

心構えとしなければならないと

痛感しました。

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