兼好の融通無碍に学べ『ヘタな人生論より徒然草』荻野文子著

徒然草ヘタな人生論より徒然草
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古典では定番とも呼べる作品

「徒然草」はその一つです。

「徒然なるままに、日くらし、

 硯にむかいて…」

という書き出しは

古文などの授業でなんとなく

覚えている人も少なくないでしょう。

息子が中学生の頃、国語が苦手で

「何をやってるのか?」と

聞いたら

この『徒然草』でした。

本書は元東進ハイスクールの

「マドンナ先生」として

人気を博した荻野文子著で

予備校の先生がわかりやすく

『徒然草』を解説した本であると

同時に

日々の暮らし、人間関係などで

何もの囚われない自由な様を描いた

『徒然草』に

現代社会を当てはめて

心穏やかに暮らせるヒントを

与えるような構成になっているので

受験用というだけでなく

人生における指南書としても

紹介されています。

徒然草とはどんな作品か

徒然草が書かれたのは鎌倉時代の末期。

14世紀の前半。

作者は吉田兼好(よしだけんこう)

兼好法師ともいう。

生没は弘安6年(1238年)

没年は分和元年(1352年)

ぐらいと推測される。

ジャンルはエッセイ?じゃない随筆。

兼好が日々出来事の中で感じたことを

書き綴っています。

方丈記、枕草子と並ぶ 三大随筆です。

子供が一向に勉強しないことに悩む

受験生の母親としてみんなが悩む

「子供が一向に勉強しない」こと。

そんな時励まされたところが

「そんな意志の弱いことでは

予備校に行く意味がない。

茶髪や携帯がやめられない

くらいなら、

どうして最高学府の大学に

いこうと思うのか?」などと

いう人がいる。

これまた、

どこぞのPTAの教育ママゴン

いいそうなことだ。

でも、兼好は「それはむちゃな論議だ」

とみなさんを擁護する。

欲望があったとしても

一旦予備校の門をくぐって

受験勉強をしょうと

心に決めたような人は

夜の街をたむろする若者とは

違って

まさかドラックはやってないだろう

週に一度の少年ジャンプや

ユニクロのフリース

新譜のダウンロード、マックの

お得バーガーそんなものが

親の出費にどれほど負担を

かけるだろう。

たったそれだけで、かわいそうなほど

満足している。

制服でそうそうワルさもできないなら

ガリ勉とまではいかなくても

遊びからは遠ざかり

受験勉強には近づいている。

ヘタな人生論より徒然草 荻野文子著

予備校へ行った限りは

一心不乱にやって欲しいのに…

テレビを見たり、漫画を読んで

ケタケタ笑っている。

焦る親は

子供に葉っぱをかけつもりで

「そんなんだったらやめちまえ!」と

怒鳴りつけたいところですが

兼好は「おいおい待ってください!」と

言っているかのように

そんな学生たちを援護する。

“本当に今の状況はそれほど

勉強に遠いのか?“と問う。

兼好は、できない理想論より

現実に少しでも近づく考えを選べ

と言っている。(第五八段)

*ちなみに

この段はテストによく出るらしい

まとめます

確かにいつも机に向かい

辞書を抱え一心不乱でやっていれば

“勉強してます“アピール全開で

周囲のものも安心しますが

それが叶わなくても

繁華街でたむろしている若者とは

似ているようで違う。

勉強を第一に考えているから

些細なことで満足できるのだと

思い

そのたむろしている若者よりは

“勉強に近い“と兼好は考えています。

ものも見方を変えるということでしょう。

これを読んでそう思えたので

一向に勉強しない子供に対しても

少し寛大な気持ちになれました。

ヘタな人生論より徒然草
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