【礼】なぜ剣道でガッツポーズがいけないか? 『大人の道徳』斎藤孝著

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私なら「面っ!」が決まると嬉しくて

思わず「ガッツポーズ」を取りながら

飛び跳ねてしまいそうですが

剣道や柔道などの「武道」では

「ガッツポーズ」をしている

シーンは見ることは

ありません。

確かに「武道」でそんなキャピキャピは

合わないけれどw

気分でそんな風に

喜びを表現する人がいたって

いいと思いますが

それは選手としてはできない

ことなのです。

本書『大人の道徳』の第三章に

このことが書いてあり

興味深かったのでここで

取り上げたいと思います。

剣道でガッツポーズがいけない理由

日本古来のスポーツである武道。

勝ち負け以前に

まずは

「礼の精神」が身についているか

表現しなければなりません。

例えば、試合の前後に「礼」をします。

さらに「面っ!」と打ち込んだ後

ガッツポーズをすると

その時の「一本!」は取り消されて

しまいます。

それは剣道は

勝負の場においても

「礼節を尊ぶ」ことを重視するからです。

お互いを敬う心を養うための

「武道」だからです。

全日本剣道連盟の「剣道の理念」で

そのことを謳っています。

それを受けて

剣道試合・審判規則では

「打突後、必要以上の余勢や有効を誇示

した場合」

つまり、ガッツポーズなどをした場合は

「不適切な行為」とみなされ

一本を取った後でも

「取り消すことができる」と

定められています。

“ガッツポーズ“は

礼にかけた行為とみなされるので

一本が無効になると言うことです。

言わば

「礼」も技のうちと言うか

ルールの内と言うか

それを守らないことが

ルール違反になって失格となって

しまうのです。

これも勝ち負けを決める要素と

なっているのです。

なぜ、ガッツポーズをしてはいけないことに違和感があるのか

嬉しければ素直にガッツポーズを

しても構わないのではと

思ってしまう背景には

現代では

「礼」を軽視する風潮があるだ

と著者は考えています。

「礼」には堅苦しいものである

イメージがついているからで

「礼は形式的だ」とか

「形だけにとらわれて

 本当に大切なものを失いがちになる」

と言う意見もあるからだ。

「内面の心こそが重要だ!

 形などどうでもいい」

確かに心のこもっていない形式だけ

には違和感を感じてしまうのです。

形式が心を伝えるツールになる

確かに心がこもっていない

形式ばった「礼」には意味はありません。

しかし

ただ単に「相手の人格を尊重しなさい」と

言われても

何をどうすれば「尊重した」ことに

なるのかわからないことが

あります。

そんな時、「礼」での基本である

「おはようございます」と言う言葉。

言葉自体には深い意味があることでは

ないですが

「おはようございます」と言われて

嫌悪感を覚える人はいません。

これは「礼」の定型として

人々は教えられてきているので

「おはようございます」と言われれば

相手から尊重されていると

気づくのです。

このように、

「礼」を形にすることによって

誰にでも尊厳を表すことができる、

「学んで習得できる」ことになるのです。

ゆえにこの誰にでも通じる「礼」の

形式は必要になってきます。

「尊重してくれているのだろうが

わかりにくいなあ〜」と思わせる

ようなフリースタイルでは

相手の“感受性“頼りとなって

しまうのです。

まとめます

「礼」を重んじる日本古来の

スポーツ「武道」は

それ自体を勝負以前に学ばなければ

ならない。

「礼」とは相手に尊重の意を伝える

ツールで

それがあれこれ個人のオリジナルで

違うなら

帰って相手に尊重の意を

伝えるのが困難になるのだ。

心のこもった「礼」を伝えるのも

剣道の技を磨くのと同じ修練が

必要だと言うことです。

それなら、

それが勝敗に関係があるのは

仕方がないことなのです。

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