【感想】雌の河童をなぜこれほど嫌うのか? 『河童』芥川龍之介著

河童河童
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この作品は

芥川龍之介の“嫌悪“を集めた様な

短編(比較的長いけどw)で

資本主義や芸術などに対して

否定的な描写が多いですが

中でも、気になったのは

女性についての描写が辛すぎる😅

(ちょっと笑ってしまいますが…)

その一節を紹介したいと思います。

まあ、河童はどっちも嫌い!って

言う声も聞こえてきそうですが

男性河童については非常に

友好的に書かれているんですよ。

あらすじ

今は精神病院に入院中の患者

「第二十三号」は3年前のある日

登山中に「河童の国」に

迷い込んでしまいます。

そこで医者のチャック(河童)に

助けてもらい

しばらくその世界で暮らします。

そこでは、人間の特権を利用して

働かずに暮らせるのでした。

そこで、いろんな「河童」との

交流があります。

「バック」という河童は人間界に

よく現れては

その様子をよく観察しているので

人間のことをよく知っています。

バックの奥さんが出産を迎えた時

お腹の子供に向かって

生まれてきたいか尋ねると

それを胎児は拒否し

お腹は萎んでしまいました。

精神病の遺伝子と河童の存在もいやだ

という理由からです。

「ラップ」という河童は

詩人で自由恋愛者。

一人の人に縛られるのを嫌っています。

「あそこにある卵焼きは何と言っても

 恋愛などよりも衛生的だからね」

と言っています。

「マック」という河童は

音楽家です。

容姿は醜いですが音楽家としては

スポンサーもついて成功しています。

「クラバック」という河童は

作曲家なのですがアウトローの

音楽家で常に正統派の

マックを意識しています。

「ゲエル」という河童は

硝子会社の社長で資本家です。

裕福で工場の機械化を推し進め

余った人材は“職工屠殺法“のもと

食肉にして食べています。

これらの河童と暮らしていくうちに

うんざりしてしまった主人公

「第二十三号」は

人間界に戻っていきます。

人間と結婚した河童

ある若い道路工夫などは

やはり偶然この国へ来た後

雌の河童を妻に娶り

死ぬまで住んでいたという

ことです。

もっともそのまた雌の河童は

この国第一の美人だった上

夫の道路工夫を誤魔化すのに

妙に極めていたということです。

河童 芥川龍之介著

誤魔化すのに長けていたって😆

美人にも手厳しいですね。

河童の恋愛

遮二無二に追いかける雌河童

雌の河童はこれぞという雄の河童を

見つけるが早いか

雄の河童を捉えるのに

いかなる手段も顧みません。

一番正直な雌の河童は

遮二無二 

雄の河童を追いかけるのです。

現に僕は気違いのように

雄の河童を追いかけている

雌の河童を見かけました。

いや、そればかりではありません。

若い雌の河童は

その河童の両親や兄弟まで

いっしょになって追いかけるのです。

雄の河童こそみじめです。

何しろさんざん逃げまわった挙句

運好くつかまらずにすんだとしても

二、三ヶ月は床についてしまうの

ですから。

河童 芥川龍之介著

この『河童』という作品は

芥川龍之介の“嫌悪“を著した

ものなので

日頃、芥川自身も女性問題に

苦しんでいたのかと

察することができます。

それにしても、

“遮二無二“に追いかけるや

両親や兄弟まで追いかける

運好く逃げれたとしても

二、三ヶ月寝込むって😆

ひどすぎませんかw

河童が繊細でそのように感じるので

あれば

芥川自身も

繊細だったということでしょう。

ただ、リアリティはありますね。😅

「大変だ!とうとう僕は抱きつかれた」

僕は咄嗟に詩集を投げ出し

戸口の錠をおろしてしまいました。

しかし、鍵穴から覗いて見ると

硫黄の粉末を顔に塗った背の低い

河童が1匹

まだ戸口にうろついているのです。

ラップはその日から

何週間か僕の床の上に

寝ていました。

のみならずいつかラップの

嘴はすっかり腐って

落ちてしまいました。

河童 芥川龍之介著

“戸口でうろうろしている“とか

“嘴が腐って落ちる“って

言い過ぎじゃないですか?😆

女性を「病原体」なんかかと

思っているのでしょうか?w

とにかく、ラップは抱きつかれて

寝込んでしまったそうですよ!

時には雌も追っかけるw

雌の河童は逃げて行くうちにも

時々わざと立ち止まってみたり

四つん這いになったりして

見せるのです。

おまけにちょうど好い時分になると

さもがっかりしたように

楽々とつかまってしまうのです。

僕の見かけた雄の河童は

雌の河童を抱いたなり

しばらくそこに転がっていました。

がやっと起き上がったのを見ると

失望というか

後悔というか

とにかくなんとも形容できない顔を

していました。

河童 芥川龍之介著

雄も雌に焦がれて追いかける

こともあるという

雌雄両方の言い分が語られるかと

思いきや

ここでも思いっきり

雌を蔑む発言の連発です。

“失望“ “後悔“

“形容できない“ってどう言うこと?w

芥川龍之介にこれほどの

トラウマを与える女性とは

どんな人だったのか?

逆に、かわいそうになりますよ。

容姿が醜いマックを羨む

「じゃあなたのように暮らしているのが一番

幸せな訳ですね」

するとマックは椅子を離れ

僕の両手を握ったまま

ため息といっしょにこう言いました。

「あなたは我々河童ではありませんから

わからないのももっともです。

しかしわたしもどうかすると

あの恐ろしい雌の河童に

追いかけられたい気も起るのですよ。」

河童 芥川龍之介著

容姿が醜いために女性に

相手にされないのは幸福だと

言っています。

芥川龍之介にしてみれば

「まあ自分が男前だから

仕方がないんだけどね。」と

言わんばかりに書いている

ように思えてならないw

これだけ、雌の河童の嫌悪について

語るのは

よほど、心を煩わせる女性の存在が

あったということを示唆して

いると言えるでしょう。

まとめます

この章では“女性“に対しての

嫌悪をこれでもかというほど

書かれています。

この河童を書いたその年に

田端の自宅で服薬自殺しています。

『河童』はあらゆるものに対する

就中僕自身に対するデグウ(嫌悪)から

生まれましたと語られるほど

現代社会の諸相の中生きるのは

芥川龍之介にとっては

「精神的闘争」だったのでしょう。

椰子の花や竹の中に

仏陀はとうに眠っている。

路ばたに枯れた無花果と

いっしょに基督ももう死んだらしい。

しかし、

我々は休まなければならぬ

たとい芝居の背景の前にも。

河童 芥川龍之介著

詩人トックの全集の中の一節。

芥川龍之介の“限界“を感じる

詩集です。

河童
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