【感想】傾倒と恋愛 こころ惹かれるものとの関わり合い こころ 夏目漱石

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私はこれといって立派な仕事を

しているわけでもない先生を慕って

付きまわる。

それは傾倒なのか恋愛なのか?

「恋は罪悪ですよ」

先生は恋=罪と言っています。

カッコいい言葉にも聞こえますが

先生が言ってる「恋」は深刻な

ものでした。

先生の奥さんは学生の頃お世話になっていた

下宿屋の娘。

このお嬢さんとの結婚はそれほど、

不思議なことではない,

むしろ平凡な結びつきと言えますが

その背景は複雑な感情が絡んでいます。

その背景が背負う意味深な言葉が

私を魅了していきます。

挙げ句の果てには先生に

恋に上る階段なんです。

異性と抱き合う順序として

まず、同性の私の所へ動いて

きたのです。

こころ 夏目漱石著

などと私は言われてしまいます。

私は強く否定し、その話題はしないでほしい

と先生にお願いします。

金を見れば君子もすぐに悪人になる

父親から譲り受けた財産を

伯父に奪われてしまった先生は

人を信じられない人間になって

しまいました。

先生の孤独は一層深くなっていきます。

そんな先生を慕う私に先生は

徐々にこころを開くようになります。

私はもうこの世にはいないでしょう

帰省している私に先生から長い手紙が

きます。

するとこの書き出し。

私は驚きます。

これまでの先生の態度や言葉の

答え合わせのような内容でした。

それは、学生の頃の話にさかのぼります。

Kという学友との話になります。

先生にとって

Kは境遇が似ておりそして思想的にも

能力的にも惹かれるものがあった。

そして、自分の下宿先に招き入れるが

そこから

この学生たちの葛藤が始まります。

二人ともその家のお嬢さんが好きに

なるのです。

ある日、先生はKからそのことを

打ち明けられます。

Kは信仰心から欲を絶たなければ

ならず苦悩します。

先生はお嬢さんが二人のうち

どちらが好きなのか悩みます。

そして、Kからこの気持ちをどうしたら

いいか相談されると苛立ちを

感じていました。

そこで、そう悩んでいるKを後目に

先にお嬢さんの母の奥さんに

「お嬢さんをください」といい

承諾を取り付けます。

それを知ったKは自殺してしまいます。

しかし、Kの書いた遺書には

先生のこともお嬢さんのことも

書いていませんでした。

その遺書を見てホッとする先生。

そのことが先生が嫌っていた叔父の

ような行動だと気づいた時

先生は生涯にわたって

言いようもない救いようもない

孤独に陥っていきます。

そして、私に出会ってそれらを告白

するに値する人物だと思い

今まで閉じ込めていた気持ちを

私に手紙という形で語り

死を選びました。

私は先生にとって孤独を癒す相手では

なかったけれど

孤独を終わらせる相手だったの

かもしれません。

Kの存在

先生にとって

Kとはどんな人だったのでしょう?

Kに対して畏敬の念を抱いていた先生。

それに抵抗するように

お嬢さんを獲得した先生。

Kを通して自分の今まで否定していた

ずるさ、不誠実さを自分の中に

見てしまった先生はそれからの人生を

ただ、厭世的に生きていた。

そんな先生の部分に私は傾倒して

いったのかもしてない。

まとめます

ある人に傾倒もしくは

恋愛感情を抱くのは

幸せなことでありますか

人を意識するあまり

自分を見失って孤独になって

しまうこともある。

そんな時、清くこの世を去る事が

できる人を尊敬してしまったり

憧れたりしてしまうのは

この時代だったからかもしれません。

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