私は“毒親“なのでしょうか『境界線パーソナリティ障害』岡田尊司著

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「自分が何をしたいのかわからない」

「何のために生まれてきたかわからない」

という疑問を程度の差こそあれ

誰しも一度は考えたことがあると

思いますが

しかし、本書で取り上げられている

「境界線パーソナリティ障害」の人は

そうした苦悩がより強く

その空虚感から浪費や過食

エスカレートすれば万引き、援助交際

薬物乱用など犯罪行為にまで

発展してしまうケースもあり

最悪、

リストカットや縊首(いしゅ:首をくくる)

となれば

取り返しのつかないことまで

起こってしまうことがあります。

これらの極端な“空虚感“は

子供の時の親との過ごし方にも

原因があるようなので

紹介します。

心が絶えず空虚である

物事がいまくいっているのに

漠然とした虚しさがある。

幸福だと感じていい状況なのに

何か満たされない感じを

持ってしまう。

幸福であることに

居心地が悪いのです。

幸せと感じるのが苦手なのです。

物事がうまくいってない時は

なおさら、空虚感が強まる。

これまでの努力を積み重ねて

立って来たことや

大切にしてきたことも

些細な行き違いや不満から

全て無意味なことに思える。

そして、

もうどうでも良くなったり

生きていること自体が

無意味に思えてきてしまう。

幸福を素直に感じることが

できなかったり

物事がうまくいかなかったら

生きること自体が無意味に思えて

しまうのは

「境界線パーソナリティ障害」の

症状の一種だと

本書では書いてあります。

空虚を埋めるために刺激を求める

空虚感に苛まれることから

逃げるように

刺激を求めるようになる。

そのため

「境界線パーソナリティ障害」の人は

危なっかしい刺激を求める行為に

のめり込みやすい。

浪費や過食も犯罪で言えば

万引きも援助交際もそのような

行為の一部には

この空虚を埋めるために

なされる行為でもあるのです。

放任すぎた子供時代

この空虚感は、

もっとも愛情を必要としている時に

愛情や関心を十分にもらえなかった

事情と関係していると

本書では書かれています。

自分が大切だと思っている人が

自分に対して

関心を持ってくれなかったり

その人の否定的な態度に触れたり

すると強まるということのようです。

過保護に育った子供時代

逆に満たされすぎた

過保護な子供時代を過ごした人にも

このような空虚感を味わうことが

あります。

それは、何でも親がかりで、

自分の力で努力して物事を達成する

という経験が乏しい人では

本来の自尊心や自信が育まえておらず

心の底で自己否定感を抱いていると

著者は本書で書いています。

叱ること、褒めることが大切

守られすぎても、守られなさすぎても

子供は幸せになれないのです。

ある調査では、

心の空虚感は、

親にあまり褒めてもらえず

否定的に養育された人にも

また、

過保護に甘やかされて育った人にも

多く見られたということです。

厳しさと優しさ、

叱ることと褒めることは

子供が強く、

空虚感に苛まれることなく

育つ上でどちらも大切だと言えると

著者は本書で示しています。

まとめます

放任すぎても過保護すぎても

子供は傷つき、心が空っぽになって

しまうのかと思うと

子育ても難しく、いわゆる“毒親“に

図らずもなってしまっているかも

しれません。

最近では、特に

「何をしたらいいかわからない」

若者が多くなっていると思います。

病的とまではいかなくても

親の愛情表現が子供の

アイデンティティーに関係あることは

確かのようです。

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