【感想】【あらすじ】生きがいの達成感=命の長さ 火の鳥 ヤマト編

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ヤマトタケルがクマソを討伐する

古事記のお話を火の鳥を

絡めて一編にしたもの。

ここでのヤマトタケルは

父親の古墳作りに反対する王子として

登場します。

あらすじ

アキツシマヤマトの国のマホロバに

ひとりの王さまがいました。

王さまは今、自分の死ぬ準備で

大忙し。

お墓を作ったり、自分の歴史書を

書かせたり…

お墓については

できるだけ大きなもので

歴史書については

自分の都合の良いものに

書かせようと躍起になっています。

末の王子オグナは古墳と一緒に

生き埋めにされる民を思い

古墳作りに反対します。

ある日、王さまは末の王子オグナに

九州は火の国の部族

クマソのボス、川上タケルを討伐する

ように命じます。

クマソのボスの川上タケルは

王さまを称えた嘘の歴史書ではなく

事実をありのまま書いた

(王さまの侵略など)記録を

作成して

後世に残そうとしていたのを

気に入らなかったためです。

オグナはクマソの討伐と同時に

火の鳥も手に入れたいと考えます。

それは、生き埋めにされる民が

少しでも長生きできるため

に必要でした。

討伐のため、クマソにやってきた

オグナは、そこでまず

川上タケルの妹のカジカに出会う。

オグナは勇敢で美しいカジカに

心を奪われる。

そして、クマソの守神“火の鳥“にも

遭遇する。

火の鳥に近づき笛を吹くと

火の鳥はその音色から全てを察した

ように、オグナが

側に寄ることを許すのです。

そして、事情を説明すると

火の鳥は自分の血を布に

しみ込ませオグナに持たせるのです。

オグナが火の鳥に近づくのを

心配していたカジカ。

オグナに気を許す火の鳥のことが

不思議でした。

川上タケルはオグナが自分を殺しに

きたのを知っていたので

警戒しながらも

懐柔しようとします。

カジカもその兄タケルのことも

好きになったオグナは

カジカの勧めどうり

クマソの人間として生きようと

考え始めるように

なりました。

迷っていると、火の鳥が現れ

オグナの使命を思い出させるのです。

記録書を書き終えたのを

確認し川上タケルを討ちました。

オグナは追われますが

ここで火の鳥が登場し

オグナを逃します。

ヤマトの国では、相変わらず

民に苦役を強いながら

古墳を造らせていました。

オグナはその功績から古墳作成の

責任者として抜擢されますが

設計図を書き直して

結局、

まともな墓は出来上がりませんでした。

それに怒った王さまは

オグナを生き埋め予定の人たちと

一緒に牢屋に入れられます。

そこにはオグナを追ってきた

男装をしたカジカもいました。

カジカに許しを乞うたオグナの

気持ちは通じて

二人は硬く抱き合います。

カジカに火の鳥の血を含ませた

布を渡し

これをみんなに与えるよう命じて

オグナは兄と話し合いに行く。

結局、オグナの意見は

(人の代わりに埴輪を入れること)

採用されず

不届き者として民と一緒に

生き埋めされる。

そして生き埋めされても

火の鳥の血を与えられているため

すぐには死にません。

そこでみんな声を合わせて

抗議の叫びや歌を歌います。

生き埋めされたものが叫び、

歌うのですから朝廷や人々に

恐怖を与え続けました。

一年が経つ頃から

徐々に声が無くなっていきました。

オグナの隣にはカジカがいます。

永久に二人は結ばれたのです。

それから、何年も経ち

埴輪を墓の周りに置くようになり

殉死の風習は廃止されました。

生きがいを見つけるのが大切

オグナは川上タケルにある老人を

紹介されます。

この国の開祖のような老人が

死の床についています。

この老人も火の鳥に励まされて

火山の穴の中から必死に這い上がり

この村を作ったのです。

オグナは

『なぜ、火の鳥の血を飲まなかったのか?」

と聞くと

「人間は死なないことが

幸せてはないぞ。

生きている間に

自分の生きがいを見つけることが

大事なんじゃ」

火の鳥 ヤマト編 手塚治虫著

生きながらえることが

大切なことではないようです。

この老人は開村という大きな

目標を達成したので

人生はもう、

満足だったんのでしょう?

川上タケルも二十五巻になる

歴史書を書き上げるのが

生きがいだったので

潔く、オグナに殺されます。

オグナは苦悩します。

自分の“生きがい“とは何か?

そして、自分の生きがいは

古墳で人が生き埋めになることを

辞めさせることになりました。

感想

賢明に己れに課せられた

役目を果たそうとする男たち。

火の鳥がよく登場した一編でした。

オグナも川上タケルや長老の

話を聞いて

自分はどう生きるべきか悩みます。

父親の命ずるままに人を殺す

だけの人生でいいのだろうかと

思うのです。

それを指し示したのが

今回は火の鳥だったのです。

永遠の命を与えることの

できる自分を自覚して

人を観察し、選んで

時に自分の血を与える。

不死の“火の鳥“は時代を超えて

限りある命の大切さを

伝えていくのです。

ヤマト編
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